心のふるさと「白山」

 

山裾を走るJR福知山線

山裾を走るJR福知山線

 

高校時代は離れ家の2階が自分の部屋だった。西側の窓辺に机を置き、そこからいつも山辺を走るJR福知山線の列車を眺めていた。山容は40年以上経った今も変わらない。

変わったのはずいぶん高い家が建って、列車がよく見えなくなったことだ。山と自宅の間は500mくらい。間に川が流れており、低くなっている。少し高台になっているわが家からは列車がよく見えたのに、2階建てなども建ってふさがれた。

しかし、今も列車が上り、下るのは音でも分かる。

 

IMGP4644

心のふるさと「白山」

 

鉄道線路の背後に控えるのが丹波山地の山並みだ。大体が100~200mぐらいの低山だ。子どものころはよく登った。山を駆け回るのが遊びの1つだった。

なかでも少し低くなった「馬の背」辺りは思い出が深い。山の上の地肌は白く、そのために「白山」と呼んでいた。子どもの足でも麓から30分もかからずに頂上にたどり着けた。

今は、子どもが山登りをして遊ぶことはない。大人でも山に入るのはよほどのことだ。頂上に向かう道ももう消えてしまっていることだろう。道なき道を歩くことはできない。今は下から山頂を見上げるだけだ。

見上げれば、子どものころを思い出す。心のふるさとのようなものだ。もう2度と登ることはできないのかもしれない。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

丹波日誌

Previous article

花壇畑
丹波日誌

Next article

進化する仏具