体感する地球儀・天球儀展

 

撮影が許されたのはここだけ(撮影コーナー)

ヨハネス・フェルメール『天文学者』(撮影コーナー)

 

日本橋丸善で江戸時代に日本に伝わったファルク地球儀・天球儀を見たら、DNP大日本印刷から同社ミュージアムラボ(品川区西五反田3)で開催中の「体感する地球儀・天球儀展」に特別招待された。

フランス国立図書館(BnF)所蔵のホンディウスの地球儀(1600年、オランダ)、ホンディウスの天球儀(同、同)、アラブの天球儀(1573年、サウジアラビア)、バラデルの地球儀(1743年、フランス)、チェリーの地球儀(1855年、フランス)が展示されていた。

DNPがBnFから取り寄せたものだが、ガラスケースの中に入っており、もちろん手で触ることなどできない。眺めるだけだ。「体感する」と銘打たれているのは隣に置かれたタッチパネルディスプレー。

4k解像度の地球儀や天球儀が表示され、触れているかのように自由に回したり、拡大したりできるところがミソだ。体を使って自由に操作できるモーションセンサーも体験できる。

DNPは文化財の修復や保護を手掛けており、デジタル技術を利用して2006年からルーブル美術館所蔵の作品のデジタル化を始めた。BnFの持つ55体の地球儀・天球儀についても1年かけて3Dでデジタル化した。10人の社員がフランスに渡り、地球儀を8000万画素のカメラで撮影した、という。

デジタルデータをヘッドマウントディスプレーと組み合わせると、天球儀の中に入り、中心から360度見渡せる。5分くらいで、天球を体感できる。

DNPはミュージアムラボで「地球儀・天球儀展」(前期は終了、後期は6月3日~9月4日)を開催。一般客の集客に乗り出した。

「絵画や彫刻、古文書といった文化財はビジネスとは縁遠いと思われていたが、デジタル技術と組み合わせることで、一般客が参加できるイベントを実現。体感できる「キラーコンテンツ」を生み出せることを示した」(日経カレッジカフェ)。

デジタル技術は新ビジネスを創出している。

撮影が可能だったのは撮影コーナーだけ。そこになぜだかオランダ人画家ヨハネス・フェルメール(1632~75)の作品『天文学者』(1668年制作、ルーブル美術館所蔵)のポスターが展示されていた。

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