新型コロナの感染者数、米国が中国を抜き最多の10万人超に=全世界では60万人と”爆発”的

 

Johns Hopkins Univ「COVID-19Tracking map」

 

朝起きてみたら(同上)

 

■米国はついに感染者数10万人超え

 

1876年に設置され世界屈指の医学部を有する米ジョンズ・ホプキンス大学(メリーランド州ボルチモア)によると、全世界の新型コロナウイルスの感染者数は28日午前零時時点で55万8502人、死者は2万人を突破した。米国の感染者数が8万6012人と2位の中国の8万1897人を抜いて世界最多となった。

人口密度の高いニューヨーク州を中心に感染が急拡大し、同州の感染者数は3万9140人、死者は365人に上った。死者の数はワシントン州109人、ニュージャージー州55人、ルイジアナ州46人などとなっている。

これは28日午前零時現在の数値だった。朝起きて同じ画面を見ると、世界の感染者数は午前8時現在、59万3291人に増えていた。これらはすべて確認された累計数値だから、現場レベルでは既に60万人は超えているかもしれない。

時事通信は今朝6時52分にジョンズ・ホプキンス大学の統計を引用して、米国の感染者数が10万人を超えたことを速報していた。午前8時現在、10万1657人に上っている。

感染者爆発の理由は対策の遅れ(NHK)

 

■裏目に出たトランプ大統領の”低リスク”会見

 

これは文字通り爆発的感染と受け止めるしかない。米疾病対策センター(CDC)によると、米国内で最初の患者がワシントン州で確認されたのは1月21日。次に2月26日にはカリフォルニア州で初めて市中感染(感染経路不明)の患者が確認された。中国など流行地域への渡航歴はなく、感染者との接触もないという。

封じ込めに成功するかどうかは全く見通せない中、トランプ大統領は同日、新型コロナウイルスへの対応をめぐって記者会見し、「米国人へのリスクは極めて低いままだ」と力説し、「どのような事態にも完璧に準備ができている」と対策に万全を期すと強調していた。

動揺する株価の沈静化を狙った会見で、新型コロナウイルスの陣頭指揮をアザー厚生長官からペンス副大統領に格上げすることも同時に発表した。しかし、既に大爆発を起こしており、完全に見通しを誤った会見だったことは否定できない。

なぜ米国は感染爆発を食い止めることができなかったのか。最初の感染が見つかったときからでは2カ月、市中感染の確認からでも1カ月はあった。この2カ月間に感染者1人が10万人から爆発した。

 

■検査態勢の不備が感染爆発の最大の理由

 

専門家は検査が不十分だったことで実態の把握が遅れ、感染の拡大につながったとの見方をしている。NHKによると、CDCは2月初めに独自に開発したウイルスの検査キットを全米の各州に送ったが、一部に正しい判定結果が出ないものがあることがわかり、多くの州で検査できない状態が続いた。結果態勢が整ったのは3月に入ってからだったという。

この1カ月間は検査できる件数は1日100件程度に限られ、対象も中国などアジアからの帰国者やその接触者だけだった。感染者が十分に把握されず隔離措置などが徹底されなかった結果、感染が拡大するとともに、実態の把握が遅れた疑いがあると専門家は指摘している。

また専門家らは日本には全員加盟の医療保険制度があるが、米国にはないことも感染者の拡大を助長し、死者の数を急増させているとみている。感染し入院しても人工呼吸器検査不足でインフラが追いついていないことも死者増大に拍車をかけていそうだ。

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