ショッピングモール「IMA」の一角に催事出店した菓匠将満の「本わらび餅」を賞味する

 

本わらび餅

 

 

きな粉をかぶせて(別封の蜜をかけなくても十分甘い)

 

6日に再訪すると、店は商品を写真に撮った紙で作られていたっていた

 

■アイキャッチングな「1個100円」に惹かれて

東京都練馬区内最大のショッピングモール「IMA」(リヴィン光が丘店とイオン練馬店を中核に149店舗)の入り口付近に「菓匠将満(まさみつ)」(滋賀県大津市南船路)が催事出店していた。小腹が空いていた。

店は玉手箱のように商品名を撮った紙で店構えをし、その中に商品を並べていた。たとえはよくないが、ホームレスの建てた段ボールハウスみたいなものだ。簡易店舗である。そこにはよもぎ団子、ずんだ団子、塩大福など大福系を中心に商品が陳列してあった。

一番人気は黒豆塩粒大福餅らしい。大福餅全種100円(税込)。小ぶりながらすぐに手が出そうな価格設定だった。つい買ってしまいそうだったが、ヘモグロビンA1cの数値が頭に点滅した。

糖尿病患者に甘い物はよくない。ましてや新型コロナウイルスに弱い基礎疾患を抱える身の上である。桑原くわばらだ。みたらし団子もあった。それらの邪念を一切払って、結局この日はそんなに甘くなさそうにない(ように思えた)「本わらび餅」を求めた。決め手は「本わらびですよ」との一声だった。

本わらび粉は山菜のわらびの根っこから作られた粉のこと。この本ワラビ粉を使って作ったのがわらび餅だが、生産量が少なく、とても高価。実際に売られているわらび餅はサツマイモやジャガイモの澱粉から作られているのが実情だ。

将満の本わらび粉使用の「本わらび餅」の原材料は中双糖、きな粉(大豆)、甘しょ澱粉、本わらび粉、加工澱粉、着色料(カラメル)となっていた。使われているとしても微量で、甘しょ澱粉などを混ぜ合わせたものになっているようだ。消費期限は2日間だった。値段は800円。

■時期限定の催事出店で存在感

滋賀県は美味しい和菓子の店がたくさんある。たねや(近江八幡市)、叶匠寿庵(かのうしょうじゅあん、大津市)、大彌(だいや、甲賀市)、梅元老舗(うめもとろうほ、野洲市)、しろ平老舗(しろひらろうほ、愛知郡愛荘町)など老舗を含めて有名処がひしめいている。

将満は老舗でもなく、むしろ新興勢力とお見受けした。店の写真も見たが、風格も格式もない。むしろ普通の安っぽい店のような気がする。店舗などにあまり資金を投入せずに商品で勝負しているようだ。

ネット上には催事情報がたくさんあって、株式会社菓匠(岐阜県大津市)もかなり大掛かりに催事販売を行っている。全国の百貨店や施設内での催事請負事業を行うドリームパスポート(本社東京都中央区八重洲)もあって、実際にはそこの将満催事FC本部が管理しているようだ。このカラクリは外からではちょっと分からない。

最近では三井アウトレットパーク滋賀竜王(滋賀県)、アスティ静岡(静岡県)、イオンモール常滑(愛知県)、泉パークタウンタピオ(宮城県)などで工場直営のこだわりの商品を各施設に臨時出店し、「期間限定」で販売しているようだ。

■大津市には餅作りの先祖を祀る神社も

同社HPを読むと、「菓匠将満は餅が生誕した土地で餅にこだわった和菓子を作り続けています」とある。大津市内には餅作りの祖といわれる米餅搗大使主命(たがねつきのおおおみ)を祀る「小野神社」(大津市小野)がある。

米餅搗大使主命はわが国初の遣隋使の使節団長として随に赴いた小野妹子(おののいもこ)の先祖といわれることもあり、小野神社は現在ではお菓子の神様として信仰を集めているという。

使用しているのは日本3大もち米と言われている「滋賀羽二重糯(しがはぶたえもち)米」。菓匠将満は「この滋賀羽二重糯をぜいたくに使用している。こだわりの大福餅をどうぞ」と言っている。

「本わらび餅」を一箱買っただけなのに、話が大きくなり過ぎてしまった。これも自分にとっての新型コロナウイルス対策(時間つぶし)なのかもしれない。

 

上の左から、よもぎ大福とずんだ大福、下は黒豆塩大福

6日、またIMAに行った。店の外観などチェックしたい点もあったのでのぞいた。のぞいたついでによもぎ大福、黒豆塩大福、ずんだ大福を買った。一番人気の黒豆塩大福を食べた。柔らかくてうまかった。小ぶりなので1つでは我慢できない。もう1つ食べようかと思案している。

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