韓国取引所(KRX)の誕生

韓国先物取引所、韓国証券取引所、韓国店頭株式市場の3取引所が1月26日、正式に合併した。新会社は韓国取引所(KRX)。株式会社で、本部は韓国先物取引所のあった釜山に置かれた。先物、証券、新興市場の3つの市場統合は初めて。KRXの主力商品は先物とオプションになる見込み。

 韓国先物取引所の2004年の年間売買高は25億8681万8602枚と2位のユーレックス(欧州金融先物取引所)を大幅に上回って世界1位。韓国総合株価指数の先物・オプションの出来高が急激に拡大したためだ。新KRFは低コスト・高効率の取引所を実現し、北東アジアの金融ハブ(中核)市場を目指す勢いだ。

 世界の取引所では先物、証券市場などの統合が1つの大きな流れ。先鞭を付けたのはシンガポール取引所(SGX)で、1999年12月1日、シンガポール証券取引所(SES)とシンガポール国際金融先物取引所(SIMEX)が合併して誕生。現物株、株価指数先物、通貨先物、商品先物など上場商品は幅広い。

 比べて日本。先物だけでも、金融、商品、証券と取引所が分かれており、小さな市場でパイ争いを繰り広げている。監督する官庁も金融庁、経済産業省、農水省などと縦割り行政の名残を残したまま。取引所の数も乱立し、とても投資家本位に考えられた市場とは言いにくいのが実態だ。

 先物市場は国民経済のコスト軽減にとって不可欠な産業基盤だ。先物市場が正常な発達を遂げないのは、その国の国民に高コストを強いるに等しい。損をするのは国民である。他人事ではないのである。市場経済下では、このことに早く気づいたほうが勝ちだ。明らかに日本は”負け組”に入っている。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.