金ETF、8月10日大証上場
大阪証券取引所は野村アセットマネジメントが監理・運営する金価格に連動するETF(指数連動型上場投資信託)を8月10日に上場する。国内では初めての上場だ。株式の個別銘柄と同じように売買できる。通常の投信より手数料が安いメリットがある。
日本では日経平均株価などの指数に連動するETFの取引が2001年に本格的に始まったが、金などモノを裏づけにした投信の取引は法律で認められていない。そこで、海外の金融機関が発行する金価格に連動する債券(リンク債)を組み込む投信とすることで上場にこぎつけた。
金ETFはニューヨーク証券取引所やシンガポール取引所などの海外の取引所では既に取引されており、年金基金や機関投資家などの間で取引が拡大しているという。金は株式や債券との関連性が低いとされ、投資家にとってはリスクヘッジの対象として活用が可能だ。
東京工業品取引所では17日から金先物の小口取引が始まったばかり。金ETFが上場されることで、この金ミニとの裁定取引ニーズが生まれることも期待できる。いずれにしても、リスクに満ちた市場経済の下では、いかに多様なリスク回避手段を持つかが需要だ。
日本の金融当局の規制が国内金融市場の不活性を招いてきたのも事実。気が付いたら「マネー敗戦」で、不利益を被るのはいつも国民。しかも、不利益を被っていることを認識していないのだから悲しい。それでも日本も遅まきながら、変わりつつある。