「生田神社史」

 生田神社(神戸市中央区)が約1800年にのぼる歴史をまとめた「生田神社史」を完成させた。神戸の現在の中心地・三宮駅から歩いて5分、飲み屋街・東門街と背中合わせということもあってか神戸市民に一番親しまれているのがこの生田神社。とにかくネオン街の真っ只中にある。

 今年2月には女優の藤原紀香さんとお笑いタレントの陣内智則さんがここで挙式したこともあって結構、全国的に有名になった。しかし、湊川神社は楠木正成を祭る神社と知っていたものの、生田神社の由来は知らなかった。

 生田神社の名前は3世紀ごろに神功皇后が稚日女命(わかひるめのみこと)を祭った場所として日本書紀に登場するという。縁結びや勝負ごとなどにご利益があるらしい。なにせ800ページもある大書なので、まだぱらぱらとページをめくった程度。

 神戸市の歴史と同じ歩みを歩いてきたとされ、神戸を理解する上で必読の書になりそうだ。加藤隆久宮司(72)は神戸芸術文化協会の会長を務めるほか、「神道津和野教学の研究」で国学院大学から文学博士号を取得している学者でもある。

 本書は加藤宮司の父が宮司だったころに編集を始めたが、阪神・淡路大震災(1995年1月17日)に生田神社そのものも被災して中断。その後宮司になった隆久氏が編集を再開し、8年がかりで完成にこぎつけた。

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