ガーナで油田発見

 アフリカの産油国と言えば、ナイジェリアが突出しているが、ほかにアンゴラ、ガボン、スーダンなど。近年チャドや赤道ギニア、コンゴに加え、サントメ・プリンシペも産油国の仲間入りをしたが、最も新しいのはガーナ。

 チョコレートの原料であるカカオ豆の大産地として世界に冠たる地位を築く農業国だが、6月6日に英国から独立して5周年を迎えた。米DJが6月19日に伝えたところによれば、英石油ガス会社はガーナの沖合いで油田を発見したと発表。

 その発表を受けたかどうか知らないが、7月19日付読売新聞朝刊が「ガーナ 油田に沸く」として大きく取り上げている。国内ではほとんど記事になっていないのに、なぜ読売だけが大々的に取り上げたのか分からないが、石油業界では注目されたことだろう。

 原油価格の高騰はとどまることを知らない。産油国はウハウハだろうが、逆に持てる者の悩みもある。アフリカ最大の産油国・ナイジェリアの巨大な石油利益が同国の経済発展に貢献しているとの話は少しも聞こえてこない。

 聞こえてくるのは原油利権をめぐる紛争ばかりだ。産油地帯であるデルタでは武装勢力が汚職にまみれた政府と対立し、政情不安は一向に解消しない。石油関係者の誘拐・拉致事件も頻繁に起こっている。

 ガーナとしては石油発見を契機に、「単一作物・カカオ豆」に依存した国家経済から脱却するチャンスとして石油に期待を掛けている。それはそれでよいのだが、宝の山が眼前に現れれば、だれとも目が眩むのは当然。ナイジェリアの二の舞にならないことを祈るばかりだ。

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神戸日誌

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