ガスプロム、「サハリン2」融資で国際協力銀行と協議

6日付日経朝刊がロシアの天然ガス事業を独占する政府系企業ガスプロムのアレクサンドル・メドベージェフ副社長とのインタビュー記事を載せている。英蘭日から経営権を奪取した「サハリン2」の事業主体だけに気になる存在。

 サハリン2の総事業費は2兆円超。ロシア政府が環境問題への対応を理由にシェル・三井物産・三菱商事連合から過半数の株式を奪取したことを問題視した欧州復興開発銀行(EBRD)が融資計画を8月上旬に撤回。事業存続に黄信号が灯った。

 ガスプロムが目を付けたのが融資団に参加していた日本の国際協力銀行。ガスプロム、シェル、三菱商事、三井物産は5日、EBRDの融資撤回とは切り離して、同プロジェクトへの融資実行要件を協議する覚書を締結した。

 ロシアの政治的圧力を背景とした戦略に欧米政府は強い反発を示している中で、日本がロシアの要求に従う形でプロジェクト推進に乗り出したことについては今後、各方面に影響を与えそうだ。

 日本側としてはロシアの思惑通りプロジェクトを進めることには抵抗があるとしても、既に相当額を投資したこのプロジェクトを放棄するわけいにもいかず、ディレンマに追い込まれた状況だ。資源開発は政治が絡むだけに、厄介このうえない。

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