京都周辺ドライブ紀行
兵庫・丹波から東京に戻る時、これまでは丹南篠山ICか春日ICから舞鶴若狭自動車道に乗っていたが、最近は篠山市から372号線を走って雨引峠を越え、千代川ICから京都縦貫道に乗り、大山崎ジャンクションで名神に入ることが多い。
今回は帰途、比叡山延暦寺(滋賀県大津市)に寄るつもりもあって、千代川IC(京都府亀岡市)は通過。京都府の北部を走る国道477号線を走った。
京都市と南丹市の境界辺りで、新緑の中に浮かぶ美しい池があった。地図には「廻り田池」(まわりたいけ)と書かれていた。中程に松の生えた小さな島の浮ぶ美しい池である。5月の燦々と輝く太陽の光を浴び、まるで絵のような風景だ。もともとあった自然の池を利用した農業用水池らしい。
477号線をさらに走ると、京都と若狭を結ぶ周山街道(国道162号線)とぶつかる。京都市右京区京北周山町(けいほくしゅうざんちょう)。2005年4月に合併されるまでは北桑田郡京北町と呼ばれていた。京北周山町には京都市初の道の駅「ウッディー京北」があった。
北山杉の産地だが、興味を引いたのは「京北柏原町」の地名。柏原町は「かしわらちょう」と呼ぶようだが、私の郷里「兵庫県丹波市柏原町」は「かいばらちょう」と呼ぶ。ところ変われば、呼び名も異なる。
国道477(三重県四日市市~滋賀県近江八幡市~京都市~南丹市~大阪府池田市の総延長238.1km)は不思議な国道だ。この写真を撮った地点は立派な舗装道路だったが、少し行ったあたりから怪しくなった。花脊峠(はなせとうげ)はカーブに次ぐカーブで、まるで日光のイロハ坂だった。
花脊峠の先の「百井別れ~百井峠~小出石町の間」は地図にも「すれちがい困難。周囲はうす暗い杉林」と表記され、知る人ぞ知る「酷道」だとか。それまでのR477も対向車の来ないことを祈りながら杉並木を怖々走ってきており、大丈夫かと不安だった。
しかし、百井峠に向かうのなら、「百井別れ」で大きく左カーブを曲がるべきなのに、間違えて直進し、38号線(鞍馬街道)に入った。結果的に難所を避けることになった。
38号線は鞍馬に向かう道。鞍馬に着いて初めて道を間違えたことを知った。カーナビがあったら、百井峠に入り込んでいたはずだ。カーナビを付けていないことで助かった。
三千院は京都市左京区大原にある天台宗の寺院。三千院「門跡」(もんぜき)とも呼ぶらしい。入口には「三千院門跡」の看板が掛かっていた。「門跡」とは皇族が住職を務めた寺院のこと。権力者はいろいろ難解な言葉を使って権威付けをするものだ。京都市内には13の門跡寺院があるらしい。
大原は京都市内から外れた、むしろ比叡山に近い場所だ。貴族や宗教関係者の避暑地だった。境内は結構広いが、意外と素朴で、豪壮という感じは全くしない。むしろ質素だ。