常滑の風景
常滑は、浮き沈みはあるものの、平安時代から続いている焼き物の町(8月31日に「常滑焼急須」)。散歩道のある高台から見回せば、レンガ造りの四角い煙突が何本も目に入る。今は数十本程度らしいが、明治・大正・昭和の最盛期には300~400基もあったという。
今もこれだけの煙突がある景観は全国的にも珍しい。今田や多治見、益子でも煙突は見なかった。少なくても、こんな古いレンガ煙突ではなかった。今も稼働しているものもあるが、ほとんどは使命を達成したモニュメントらしい。
戦前の常滑は陶管の一大産地だった。土を原料にした素焼きの「土管」。排水溝や地中管はすべて土管だった。しかし、昭和30年代に入って、塩化ビニール管に押され、シェア低下。駆逐されてしまった。
「常滑のすずめは黒い」と昔は言われたらしい。燃料が石炭だったためだ。今では都市ガスや電気にシフトし、黒いすずめはどこにもいない。