【初詣】やっぱり初詣は藤堂家所蔵の石像物なども楽しめる乗蓮寺「東京大仏」が一番=隣の板橋区立赤塚植物園も訪れると「シャシャンボ」や「ノジギク」にも会えるよ

東京大仏

 

■やはり初詣は「東京大仏」

 

東京・練馬区居住と言っても、練馬区は板橋区から分かれたこともあって、板橋区には頭が上がらない。23区の中でも一番新しい区である。

今年は元旦に、西の練馬区から東京を横切って東の亀戸天神にまで初詣をした。地元にも赤塚山乗蓮寺(東京都板橋区赤塚5,浄土宗)という名所があるが、こちらは気分がいい時に訪れることになる。

新年はまだ雨が降っていない。乾燥している。風もなく晴れた10日に乗蓮寺に出掛けた。有名なのは乗蓮寺ではなく、そばに佇んでいる大仏(阿弥陀如来像)である。

ブロンズ(青銅)で鋳造された大仏で、奈良・東大寺の大仏、鎌倉・高徳院の大仏に次いで日本で3番目に大きいので名高い。由緒あるようだが、乗蓮寺は付け足しみたいなものである。

重量32トン、座高8.2メートル(頭部3メートル)、蓮台2.3メートル、基壇地上2メートル、地下1メートル。やはり見上げていると何とも清々しい。気持ちが晴れる。ほぼ毎年のように訪れている

 

手水舎に設けられている龍神

 

■龍神から出てくる水は「神聖な水」

 

乗蓮寺に参拝した際、手水舎(てみずや)で手を清めたときに気付いたのが龍。なぜ龍なのか。そう言えば全国の社寺で龍をモチーフにした水口(みなくち/水が出る場所)を全国の社寺で見掛ける。

龍神伝説アーカイブスによると、神道では命をつなぐ水は尊いものであり、穢れや邪気を祓う神聖なものとされてきた。手水舎で水を手にかける行為も同様で、この水を「龍神から出てくる水」と見せることで、「神聖な水」と表現しているのだとか。

日本人の中には水を神聖視してきた歴史がある。「水に流す」(過去のいざこざなどをすべてなかったことにする)、「みそぎ」(罪や穢れを落とす)、「みそぎ」(身を洗濯する=身を洗う)などのことわざにもそれが表れている。

これまで龍神に注意を払ったことは一度もなかった。龍伝説のあるスポットが全国各地にあり、それに興味を持っている人もいるとか。色んな趣味があるようである。

 

 

 

■大仏のほかに石像物もあるよ

 

乗蓮寺は東京大仏だけが突出して有名になっているが、境内にはほかにちょっと面白い石造物もある。それらは乗蓮寺が現在地に移転する前に所在していた豊島区駒込付近の津藩藤堂家・江戸下屋敷(染井屋敷)から持ち込まれたものらしい。

また明治年間に発刊された『江戸会誌』収録の「染井藤堂家の石像」と題するリポートには、邸内に残存していた古石像11体が1カ所に集められていたことが記録されている。

戦後、これらは「鉄拐堂」に隣接する個人宅に収蔵されていたが、昭和42年(1967年)に、当時板橋区仲宿に所在していた乗蓮寺に移され、赤塚移転に伴い、現在の場所に移設された。

乗蓮寺によると、同寺に現存している旧藤堂家染井屋敷石像物は以下の8点。

・鉄拐仙人
・奪衣婆(婆々)
・天邪鬼(がまんの鬼)
・恵比寿・大黒
・文殊菩薩・布袋尊
・役行者(小角)

これらの石像物は、江戸期に大名屋敷内に所在していたことが文献資料から裏付けることができる希有な資料であることから、平成23年(2011年)に板橋区の登録有形文化財となったという。

 

知恵を授ける「文殊菩薩」

三途の川の「奪衣婆」(だつえば)

行者の元祖「役の小角」(えんのおづぬ)

 

■行者の元祖像も

 

役小角(えんのおづぬ/えんのおづの/えんのおつの)は、役行者(えんのぎょうじゃ)とも呼ばれ、修験道の祖とされる飛鳥時代の呪術師。実在の人物とされているが、生没年不詳。

大和葛城山中に住んで呪術で評判となったが、怪しい言動で民衆を惑わしたとして伊豆へ流されたといわれる。

和泉葛城山では古来、修験道が盛んで、市内山間部にある神於(こうの)寺と大威徳寺は役行者によって開かれたと伝えられている。

「鉄拐仙人」(てっかいせんにん)

 

■医薬の神様「鉄拐仙人」

 

仙人シリーズによると、李鉄拐(りてっかい)は中国の八仙(はっせん)の1人。ウィクペディアによると、八仙は道教の仙人のなかでも代表的な存在であり、中華社会のいかなる階層の人にも受け入れられ、信仰は厚い。

日本における七福神のようなもので、掛け軸や陶磁器に描かれる愛でたい絵の題材になるなど様々な芸術のモチーフとなっている。

李鉄拐は片足の仙人で、常に鉄の杖(拐)を携えていたとの言い伝えから「鉄拐」の名前が付いたといわれている。中国では医薬の神様とされている。

一説によると、足が悪いのは生まれながらで、西王母(中国で信仰された仙女)の教えを受けて仙人となり、東華教主に封じられ、鉄丈を授けられた。その鉄丈を投げると龍になり、それに乗って昇天したといわれる。

もともと足は悪くなく、立派な体格だったという伝説もある。あるとき、崋山(中国5名山の1つ、2154m)で老子と会う約束があり、「わしの体はここに残して、魂だけ崋山に出掛ける。7日たっても帰らなかったらわしの体を火葬してもよい」と弟子に言って出た。

ところが、その弟子は母親が急病になったというので6日目に大慌てで先生の体を火葬して家に帰ってしまった。7日目に戻った鉄拐はすでに自分の体がなくなっていたので、偶然にも道ばたに倒れていた片足の乞食の体に乗り移った。このために鉄拐は見にくい姿になったのだという。

 

シャシャンボ

 

■ブルーベリーに似た「シャシャンボ」

 

東京大仏のすぐそばにあるのが板橋区立赤塚植物園。乗蓮寺に参拝したおりには必ず同植物園も訪れる。同植物園には本園のほか、万葉・薬用園が付属しているのが気に入っている。

2020年(令和2年)5月には普段観ることのできない野菜の花や作物・果実が実っている様子を観察することができる体験型農業園も開設されているのを今回初めて知った。

植物園では現在スイセン、ロウバイ、ヤブコウジ、イイギリ、ユキヤナギなどが咲いていたが、今回気付いたのはシャシャンボ(小小ん坊)とノジギク。

生物多様性情報総合プラットフォーム「福岡生きものステーション」によると、シャシャンボは渇いた林縁や林内に生える常緑低木で、高さ2~5mになる。

果実は球形で直径5~6mm、晩秋から冬に黒紫色に熟す。みそんちょ、みそっちょなどと呼ばれていて、昔はこども達がよく食べていたという。

ブルーベリーと同じ仲間(スノキ属)の樹木で、果実は甘酸っぱくて食べられるとか。ブルーベリーに比べて果実は小さく、水分も少なく、ぱさぱさしている。ジャムにして味わうといいらしい。

ブルーベリーと同様に、色素成分のアントシアニンが豊富に含まれているので、鮮やかな紫色のシャシャンボジャムを作ることができるという。

 

ノジギク(野路菊)

 

■「ノジギク」も咲いていた

 

こちらはノジギク(野路菊)。日本固有種で、キク科キク属の耐寒性常緑多生植物。西日本の本州から四国、瀬戸内海、九州の太平洋沿いの傾斜地に自生し群落を形成する野菊の一種である。

1954年(昭和29年)にNHKが全国各都道府県を代表する花を募集した際、「のじぎく」が兵庫県の郷土の花に選ばれ、兵庫県の花となった。

そう言えば2006年に兵庫県で国民体育大会(2024年から「国民スポーツ大会」ヘ名称変更)が行われた際、「のじぎく国体」だと言われた。正直、自分で「のじぎく」を見たことがなかった。ずっと後になって現物にお目に掛かるとは思ってもみなかった。

可憐な白い花を咲かせる「のじぎく」は日本にしかない固有の種で、1924年に日本の植物学の父として知られる牧野富太郎博士が発見・命名した。

神戸をもっと楽しむ情報サイト「神戸まちガイド」によると、「よこお野路菊の丘」(兵庫県神戸市須磨区)で丘に巡らされた散策路を歩きながら楽しめるとか。見頃は例年11月中旬頃。是非一度行ってみたい。

 

こちらのランは販売中

 

■高島平で「らんラン蘭展」

 

こうした公共施設は同類の関連施設の情報を入手できるのが嬉しい。同じ区内の板橋区立熱帯環境植物館(高島平8)で「らんラン蘭展2024」が1月3日~1月14日(日)まで開催されていることを知った。

同館は東南アジアの熱帯雨林を立体的に再現した施設。隣接している高島平温水プールや高島平ふれあい館とともに、板橋清掃工場の余熱を利用した省エネルギー型の施設で、1994年9月にオープンした。

らんラン蘭展では8種類の代表的なランを紹介しているという。わが家でも2008年から胡蝶蘭を育てており関心があったので出掛けた。

 

もらった2008年の胡蝶蘭

14年たったらこんな姿に(2022年)

 

■ファレノプシスも多彩に

 

胡蝶蘭は蝶が飛んでいるような花の姿と、学名についているギリシャ神話の愛と美と豊穣の女神アフロディテに由来しているとか。

学名はファレノプシス・アフロディテ(Phalaenopsis aphrodite)。ラン科ファレノプシス属。東南アジアの亜熱帯地域に広く分布しており、木の表面に根を張って成長する多年生植物だ。

直射日光を嫌い、木漏れ日ほどの光のある、風通しのよい場所を好み、寒さに弱いのが特徴だ。中には岩の上に咲くこともあるという。

「胡蝶蘭と言えば贈贈答品棟」が通り相場で、普通の花径10~15cmほどの大輪胡蝶蘭が一般的だが、花径4~5cm程のミディ胡蝶蘭(ミニ胡蝶蘭)も増えている。

交配品が多く花の色も白、ピンク、黄色、紫のほかに、近年は淡い緑のものも出てきているとか。「セミアルバ」と呼ばれる白の花びらに赤いリップが組み合わさったものも登場してきている。

 

 

■「らんラン蘭展」開催情報

 

最初にもらった胡蝶蘭は絢爛豪華だったが、4本をバラして1本づつ植え替えた結果、やせてしまった。その中の1本が根付いた。毎年10輪から8輪ほど花を咲かせる。最初は濃い紫色だったが、今ではピンク色に薄くなっている。

「らんラン蘭展」では代表的なランを紹介しているとのことだったが、よく見分けが付かなかった。自分の勉強不足を思い知らされた。正直胡蝶蘭しか知らないのだ。

仕方がないのでたまたまネットサーフィンをしていて見つけた「長さんのリタイア生活」によるラン企画展観賞記を掲載します。後期高齢者とは思えない本格的な写真と記事を書かれています。

 

サボテン「緋牡丹」

 

■長生きできない「緋牡丹」

 

らんラン蘭展で買ってきたのがこのサボテン。「緋牡丹」と呼んでいる。その姿から別名キャンドル・サボテンとも呼ばれている。

全体が赤く大きな花のように見えるが、葉緑素がなく独自に育つことができないため、通常のサボテン(三角柱や竜神木、袖ケ浦など)に接ぎ木した状態で販売されているのがほとんどだ。

緋牡丹は普通「三角柱」という名のサボテンを台木にする接ぎ木が多い。ところが三角柱は成長スピードが速く、穂木(ほぎ)よりも先に寿命が尽きる。緋牡丹という種類のサボテンは接ぎ木でしか生育できないようだ。

台木の寿命に左右されるため三角柱などの命は大体1~2年で終わるとか。それを覚悟した上で鑑賞するしかないのだという。竜神木や袖ケ浦なら10年程度持つらしい。サボテンも大変だな。

生育適温は20~30℃程度。耐寒温度は0~5℃。霜や雪に当たると枯れるので、冬は屋内で育てる。夏は直射日光を避け、雨が当たらない風通しに良いところに置くのが良い。

生育期の春、秋は土が完全に乾いてからたっぷり水をあげること。冬場は水やりを控えめに。断水ではなく月に1回、土が濡れる程度に吸水する。夏は土が乾いたらさらっとするぐらいの水を与えること。 

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