「アベノクラシーは『永続敗戦レジーム』の総決算」

 

白井聡氏が話した

 

テーマ:「戦後70年 語る・問う」21
ゲスト:白井聡(京都清華大学人文学部専任講師)
2015年6月25日@日本記者クラブ

 

『永続敗戦論―戦後日本の核心』(2013年3月、太田出版)の著者は雄弁だった。戦後の核心は「敗戦」を否認したことであり、そのロジックを採用すれば、「負けたことを認めていないので、延々と負け続ける。すなわち、永続敗戦」だと指摘する。

永続敗戦レジームは今もずっと続いており、戦後の総決算としての社会が「アベノクラシー」だと主張する。目を覆いたくなるような劣化と、とてつもない閉塞感に満ちた社会を作ってしまった。

安倍政権の行っていることは永続敗戦レジームの純化による死守であり、無批判な国民は奴隷だと指摘。「奴隷化された国民の批判を展開することがメディアの仕事だ」と言い切った。ポイントは沖縄で、沖縄問題は永続敗戦レジームに対する外部からの異議申し立てだとの見方を示した。

論としては理解できた。しかし、この主張を誰よりも強く意識しているのは他ならぬ安倍首相だろう。だからこそ「戦後レジームからの脱却」を執拗に追求し、安保法制の改定に踏み切った。

阿呆なのは国民だ。何もせずに「平和」の恩恵だけを享受している。果たしてメディアは「国民批判」を行えるか。現実を直視することを回避し続けてきたメディアがそれをできるとは思えない。一国は国民のレベル以上のメディアを持ち得ない。

 

関連していくつかのサイトを回って、関連記事を読んだ。『永続敗戦論』から地元図書館から借りて読もうと思ったが、予約は58番目の54番。いつ順番が回ってくるのか見当も付かない。

■白井聡「永続敗戦論からの展望」(メールマガジン「オルタ」)

■記者による会見メモ「戦後の本質”永続敗戦レジーム”を直視せよ」(日本記者クラブHP

■内田樹と白井聡、気鋭の学者2人が安倍首相を「人格乖離」「インポ・マッチョ」と徹底批判(本と雑誌のニュースサイト「リテラ」)

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