2013年2月 のアーカイブ

『フリーライターになろう!』

カテゴリー: 英語力/情報力/文章力, Books

2013/02/28  10:07


「ノウハウ本」というよりか、思いっきりの「ワタクシの本」でした

「ノウハウ本」ではなく、思いっ切り「ワタクシ本」でした

 

書名:『フリーライターになろう!』
著者:八岩まどか(やついわ・まどか)
出版社:青弓社(2012年4月15日第1刷)

 

いつだったか、どこだったか、思い出せないのだが、どこかの書店の書棚を眺めていて、この本と目が合った。手を出して、中身をぺらぺらした。ぺらぺらどころか、5分か10分か立ち読みした。なかなか面白いなと思った。しかし、そのときはそのまま買わなかった。

会社勤めをやめ、フリーで活動しようとしていたときだ。会社ジャーナリストを35年もやってきて、自分なりのジャーナリズム論というのはもちろん持っているつもりだが、それでも会社ジャーナリストとフリージャーナリスト(あるいはフリーライター)とは違うはず。どこがどう違うのか分からない。それを明確にさせたいという気持ちがあったからだ。

その後、自宅近くの図書館で再会した。別の本を借りに行ったとき、何気なく返却本が積まれているキャビンを見たら、この本が目に入った。表紙のデザインが黄色であることも気づいた理由かもしれない。そして、借りてきた。仕事の合間についつい読みふけってしまった。

著者の八岩まどか氏は何とも個性的だ。魅力的だ。単なるノウハウ本ではなく、本書には著者の個性がふんだんに盛り込まれている。紛れもなく、フリーライターとして仕事している自分をそのまま書いているからだ。自分論を書いているからだ。

「自分はこんなライター稼業をしている。フリーという生き方は結構辛いが、それなりに面白いですよ。よかったら、やってみませんか」という私的ライター論だ。だから、読者の共感を呼べる。

◍「ライターになるための方法は1つではない。こうすれば必ずライターになれるという正解はないのだ。ライターにとって大切なのは、自分ならどう考えるか、どう行動するかである」

◍「日本語の『ライター』とは、物書きの業界では『何でも屋』にあたるからだ。あえて日本語で表現するとすれば『よろず物書き引き受け業』とでもあるのが最も実態に近いだろう」

◍「日本の物書きの世界では、ライターと作家にははっきりとした違いがある。あるライターはその違いを、『作家は個性を主張し、ライターは一般的な視点を重視する』と表現している。作家は文章を書く場合、それを自分の作品として表現する。それに対して、ライターは取引相手から依頼されて書くのが一般的だ。ライターと作家は違う存在であるが、微妙につながってもいるのだ」

◍「フリーライターは、原稿を書くという仕事によって生活している人間だ。サラリーマンと違うのは、企業の社員として勤務するというスタイルをとらず、フリーで仕事をしている点にある」

●「『継続は力なり』という言葉があるが、ライターの仕事はまさにこれにあたる。苦しくてもしがみついて、ライターとしてやっていくこと-それがライターとして生き残る最低の条件といえるのだ。・・・私がフリーライターになりたてのとき、某週刊誌のデータマンをやった話を第2章で書いた。当時、ノンフィクション作家鎌田慧さんの連載について書いたことがある。取材が終わって新橋の寿司屋で一緒に飲んでいたとき、鎌田さんに、『大丈夫、力があればそのうち表に出られるよ』と言われた。私が『力って・・・、何でしょうか?』と聞き返すと、間髪を入れずに、『やる気だよ!』という答えが返ってきた。その時の言葉をいまでもよく思い出す。とくに苦しくなったときに、私が支えられた言葉である。これからライターを目指す人にも、ぜひこの言葉を贈りたい」

祝白寿

カテゴリー: 食/食堂/レストラン

2013/02/27  23:34


「百」字から「一」を取れば、「白」なり

「百」字から「一」をとれば、「白」なり

 

「白寿」という言葉を知ったのはそんなに昔のことではない。自分がそんなに長生きできるとは思わないし、そもそも実感できない。改めて、電子辞書を引いてみた。確かに「百」の字から「一」をとれば、「白」。つまり白寿は99歳のことであり、99歳の賀の祝いのことでもある。

母親が「白寿」を迎えた。最近では珍しくないらしいが、それでも誰もがそんなに長生きできるわけではない。もう1年で100歳。昔の人は鍛え方が違うから長寿なのかもしれない。しかし、日本人の長寿は今がピークで、これからは落ちていくような気がしてならない。

ほうらく饅頭

ほうらく饅頭

 

「ほうらく堂」(神戸市北区)は大正12年(1923)から、この「ほうらく饅頭」を作り始めたという。そんなに甘くはなく、しつこくもなく、口の中にもするりと入る上品さ。原点は大正天皇や皇太子が賞味し、広く世に知られた「塩原まんじゅう」らしい。

神戸ではもう90年も作られている。全国各地でも同じようなものが作られているようだ。白はつぶあん、赤は白あん。ほかに抹茶(こしあん)がある。お祝い時には紅白で作ってくれる。祝白寿で、紅白とし、母上の入居するホームの同居者に食べていただくことにした。めでたし、めでたし。

去年より寒いのに、梅が咲く

カテゴリー: 東京日誌Ⅱ, 花/木/樹

2013/02/26  18:10


去年より寒いのに、我が家の梅はもう開花

去年より寒いのに、我が家の梅はもう開花

 

1年前のブログを見たら、まだ梅が咲かないと嘆いている。今年のほうが、少なくても東北・北海道は積雪量が格段に多く、青森県・酸ヶ湯温泉ではこれまでの国内最高記録5.01m(2005年3月)を大きく上回る5.50m以上を記録。依然記録更新中だ。

それなのに東京の梅は去年より早い。少なくても我が家の梅は早い。それこそ2月に入る前から咲き始め、今では20輪ほどが濃い赤を付けている。初孫を記念して植樹した枝垂れ梅。その孫も今日で満3歳。早いものである。もちろん、こちらもきっちり3つ老いたのは言うまでもない。

 

”アラブの春”を利用するイランの戦略

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2013/02/24  23:41


シーア派の聖都コム

シーア派の聖都コム(NHK)

 

単独会見に応じるアフマディネジャド大統領

単独会見に応じるアフマディネジャド大統領(HNK)

 

イスラム社会で少数派のシーア派が支配するイラン

イスラム社会で少数派のシーア派が支配するイラン(HNK)

 

番組名:NHKスペシャル激動イスラム第2回『イスラムを覚醒せよ~”瀬戸際の大国”イランの戦略~』

好むと好まざるに関わらず、世界はまさにイスラムを中心に動いている。NHKスペシャルは2日続きで「イスラムの激動」を伝えたし、午後見た映画もイスラムの中でも最も原理主義強硬派武装組織アルカイダ指導者オサマ・ビンラディンの居所を突き止め、急襲する膨大な米国の努力を映像化したものだ。

エジプトで起こったムバラク政権崩壊やアルジェリア人質事件もイスラム武装勢力が引き起こした。アフガニスタンやイラクの戦争は言わずもがなである。今やイスラムが非イスラム社会を「異教徒」と呼び、それに戦闘を仕掛けた趣がある。

キリスト教社会が長きにわたって支配してきた構造に反旗を翻したかのごときだ。この動きはもはや誰にも止められないのだろうか。モルシ・エジプト大統領はイスラムによる世界支配を宣言しており、非イスラム教徒は戦々恐々だ。イスラム教徒は非寛容であり、異教徒の存在を認めない。少なくても武装勢力の主張を聞く限り、そうだ。

宗教的なものに無関心だった日本人にとって、宗教が前面に踊り出した世界とどう向き合うべきなのか。生存を賭けた闘いが既に始まっているのではないか。大変な時代に突入している、としか言えない。

『ZERO DARK THIRTY』

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

  23:28


一人の女性がビンラディンを追い詰めた

一人の女性がビンラディンを追い詰めた

 

作品:『ゼロ・ダーク・サーティ』
監督/製作:キャスリン・ビグロー
脚本/製作:マーク・ボール
キャスト:ジェシカ・チャステイン(マヤ)
2012年アメリカ映画
上映館:ユナイテッド・シネマ・としまえん

9.11から10年たった2011年5月1日。米同時多発テロ事件の首謀者、オサマ・ビンラディンが潜伏先のパキスタン国内で米ネイビー・シールズ(米海軍特殊部隊)に殺害された。実行部隊はシールズの中でも最強チームとされる海軍特殊戦開発グループ(略称DEVGRU=デブグルー)だ。

「ゼロ・ダーク・サーティ」とは、午前零時30分を意味する軍の専門用語で、ビンラディンの潜伏先にネイビーシールズが踏み込んだ時刻のこと。同時に、闇夜も意味する。

 

「アラブの春」が呼び込んだのは「イスラムの春」だった

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事, 映画/テレビ/舞台

2013/02/23  23:29


革命広場を埋め尽くした市民(NHK)

革命広場を埋め尽くした市民(NHK)

 

親パレスチナに外交政策を転換したモラシ大統領(NHK)

親パレスチナに外交政策を転換したモルシ大統領(NHK)

 

NHKスペシャル:『激動イスラム1アラブの春はどこへ~エジプト変質する民主化革命』

アフガニスタンやパキスタン、イランとイラク、エジプトやリビア、アルジェリアとマリなど世界は至るところでイスラムの嵐が吹き荒れている。若者を中心に、ムバラク独裁政権に立ち向かった「アラブの春」が過ぎて2年。独裁者が失った強大な権力を引き継いだのはイスラム勢力だった。

中心的役割を担うムスリム同胞団はイスラム主義に基づく政治経済の立て直しに乗り出した。政治面ではモルシ大統領に権限を集中させる新憲法を成立させた。イスラム教の急進勢力と手を結んで軍を骨抜きにし、国内の反対派勢力を押さえ込みにほぼ成功した。

モルシ大統領は「エジプトと周辺国をイスラム国家に変えていく」と言明した。ムスリム同胞団は「イスラム世界の力を結集した上、世界にリーダーになる」ことを目指している。世界をイスラム勢力の支配下に置くことを明確な目標に掲げている。

ムバラク独裁政権を打倒した若者たちが求めたのは自由と民主義だったが、イスラム勢力の台頭を警戒する人々は「新たな独裁が生まれるのではないか」と懸念している。「ムスリム同胞団は表向きはいい顔をしているが、長い間権力の座に就こうとしていた人たちだから信じられない」とも。

しかし、問題は国内経済の低迷。若者の5人に1人は失業し、生活苦も一向に好転しない。モルシ新政権は米国と接近し、米国からの投資を呼び込むことで突破しようとしているものの、米国など外国資本はイスラム勢力による政権運営を不安視。投資は伸びないのが現状だ。「アラブの春」が呼び込んだのは民主主義ではなく、「イスラムの春」だった。

「『東北』の食材のプロモーションの一翼を担いたい」

カテゴリー: 会見メモ

2013/02/19  23:56


ボション料理長(右)とガルシア料理長(左)

ボション料理長(右)とガルシア料理長(左)

 

テーマ:仏エリゼ宮殿料理長・モナコ宮殿料理長を囲む
会見者:ベルナール・ボション料理長(エリゼ宮殿)/クリスチャン・ガルシア料理長(モナコ宮殿)
2013年2月19日@日本記者クラブ

東北被災地支援のために東北の食材を使って料理を作るNHK・BSプレミアムのテレビ企画のため来日。ボション氏は福島県会津若松市、ガルシア氏は宮城県気仙沼市をそれぞれ訪問し、その印象なども語った。3月18日(月)夜9時放送予定。

会見にはほかに2人の属する「クラブ・デ・シェフ・デ・シェフ」(首脳の料理人クラブ)創設者であるジル・ブラガール氏も参加。クラブのオーナーであるこの人物がむしろ影の主役とお見受けした。クラブは1977年に設立され、メンバー資格を持つのは国家元首の料理人のみ。1国1名で、現在25人。中国やタイの料理長は入っているが、日本からはまだ。今年7月にはホワイトハウスで総会を開催する予定だとか。

●クラブのモットーは「政治によって生まれた対立を、美食で解くこと」。食卓を囲むことで緊張を解きほぐす。

●一番おいしい料理は母親の作った料理だ。その国の材料を使い、その国の伝統に基づいて作られた料理だからだ。シェフはそうした伝統の保護者だ。

●東北の食材は非常にすばらしい。会津のイチゴや地鶏、気仙沼のワカメや「ドンコ」(魚)、酒粕に強い関心を持った。被災地の方たちが前向きに生活を再スタートする決意していたことに心を動かされた。応援していきたい。

●(仏は料理を外交の手段にしたといわれるが、具体的な事例はあるか)食事を通じて友好が高まるケースはあるが、具体的には指摘しにくい。ランブイエ・サミットの際、会議が紛糾・対立・困難な局面に陥った。そのとき英首相の要請でシェフを呼び、しばし料理談義をし、その場の雰囲気を和らげることができた。そうした効用が料理にはある。

「東北学」

カテゴリー: 会見メモ

2013/02/18  20:21


会見する赤坂憲雄学習院大教授

会見する赤坂憲雄学習院大教授

 

テーマ:3.11シリーズ企画「東北学」
会見者:赤坂憲雄学習院大学教授
2013年2月18日@日本記者クラブ

「エネルギー効率向上こそ最大の成長戦略」

カテゴリー: 会見メモ

  15:24


「グリーン成長戦略」を話す梶山上席主任研究員

「グリーン成長戦略」を話す梶山上席主任研究員

 

テーマ:日独エネルギー政策比較
会見者:梶山恵司富士通総研経済研究所上席主任研究員
2013年2月18日@日本記者クラブ

●日本でのエネルギー議論は原発と再生可能エネルギーのことばかり。それももっぱら電力のことばかりだ。熱や輸送用燃料(ガソリンなど)の議論は抜けている。電力のことばかり考えていても、エネルギーのことは分からない。エネルギー効率を含めて総合的、体系的にとらえることは、エネルギー戦略を描くための前提だ。

●エネルギー消費を増やすことと経済成長することとはイコールではない。双方を切り離して考えなければならない。エネルギーがなぜ最大の成長分野なのかを理解するためにもこれは不可欠だ。

Nスペ『なぜ日本人が・・・~アルジェリア人質事件の真相~』

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2013/02/17  23:36


イナメナスガス施設(NHKテレビ)

イナメナス・ガス施設(NHKテレビ)

 

上からガス施設、合弁会社居住区、日揮居住区の順(NHKテレビ)

上からガス施設、合弁会社居住区、日揮居住区の順(NHKテレビ)

 

施設を襲撃したイスラム武装勢力の指導者

施設を襲撃したイスラム武装勢力の指導者

 

隊商が密輸のネットワークに

隊商が密輸のネットワークに

 

NHKスペシャル『なぜ日本人が・・・~アルジェリア人質事件の真相~』を見た。日本人10人を含む38人の命が奪われた事件が起こって一カ月を経過した時点での中間報告だ。アルジェリア政府が情報を出さないため、依然真相は闇に包まれたままだ。それを、NHK取材班が施設で働いていた従業員や事件の首謀者とつながりのある人物、アルジェリア政府関係者などの証言を引き出し、全貌の一部を伝えた。人と金をかけた民放では難しい取材だ。さすがNHKだ。

今回の事件で最も多くの犠牲者を出したのは日本だったが、関係者などの証言を基に、番組は、「日本人が狙われたというより、外国人が標的になった」としている。外国人は全員がアルジェリア軍による制圧対策として、武装勢力から人間の盾にされた。生死の行方は運不運もかなり関係した。

日本人グループと一緒に日揮居住区からプラントまでの3キロを武装勢力に護送された7台の車両の1台に乗せられたフリピン人従業員の証言によれば、自分が乗った車はアルジェリア軍の襲撃で横転し、そのために逆に車から逃げ出すことができたという。「私が日本人の立場になっていたかもしれません」と話している。

問題は事件を起こした背景だ。アルジェリア南部やマリ北部などの砂漠地帯は今やイスラム武装勢力が我が物顔で活動する無法地帯と化しているという。何がそうした状態をもたらしのか。それは貧困であり、それを生んだ現実だ。テロリスト・グループは「西欧文明がこうした現実をもたらした」と指弾する。

日揮など日本企業や国際企業はそうした地域でも「仕事」があれば、それに従事しなければならない。仕事がその国の開発・発展に貢献すると信じるがゆえだ。しかし、そうした貢献がイスラム教の正義に反すると主張し、ジハード(聖戦)を仕掛けてくる勢力があるのもまた事実だ。

しかも、こうしたイスラム武装勢力は世界各地で勢力を伸ばしている。勢力を伸ばしているのはそうした主張を信じる者がいるからだ。そうした主張を信じられる状況があるからだ。