2005年7月 のアーカイブ

小網町・喜代川

カテゴリー: 東京日誌

2005/07/24  11:42


 ある会合で東京・日本橋小網町のうなぎ屋「喜代川」に行った。1874(明治7)年創業の老舗で、うなぎ好きにはたまらない店だ。ビルの谷間にひっそりと佇む数奇屋造りの一軒家。へえ、こんなところに、こんな店がという風情がいい。

 「小網町の喜代川」は渡辺淳一の小説「化身」にも出てくることで有名だ。今回は確認できなかったが、確か階段の壁に、それに関連した短冊か何かが掛けられいたのを思い出す。「最近でもときどき、来られますよ」とか。

 精力付けるにはうなぎは格好の食べ物。精力は欲しいが、カロリーは控えたい。そんなアンビバレンツに直面してかなり経つ。今年の「土用の丑の日」は7月28日(木)。それにしても、最近、「ひつまぶし」なるものが東京でも浸透し、食欲を刺激する。食欲には性欲も勝てない。

第21回能楽「金春祭り」

カテゴリー: 東京日誌

  10:39


第21回能楽 金春(こんぱる)祭り

演能                演者/金春宗家一門

延命冠者(えんめいかじゃ)  鈴之段(すずのだん)
父の尉(ちちのじょう)      弓矢立合(ゆみやのたちあい)

能パレード/8月7日(土)夜6時より
        場所/銀座金春通り

主催/社団法人 金春円満井会
           銀座金春通り会

 銀座日航ホテルの先から、ビルの隙間を北へひょろひょろと通り抜けて行くと、出るのが金春通り。通りに出て、少し左に歩いて、また縦に入ろうとしたときに気づいたのが、この案内。21回目だから、もう伝統である。場所的には銀座資生堂ビルの裏手あたりか。

 金春通りには「金春湯」がある。看板も掛かっている。ビルの1階の奥に入ると、下駄箱があって、その先は番台だ。かなり前、一度、「何事も経験。経験はしとくべし」との天の声に従って、仕事の合間、湯に遣ったことがあった。今は見かけなくなった銭湯がそこにはあった。

藤原伊織「シリウスの道」

カテゴリー: Books

  10:06


 藤原伊織の長編ミステリー「シリウスの道」を読み終えた。子供のころ一緒に育った幼馴染、辰村祐介、浜井勝哉、半沢明子の3人のある「秘密」が生んだ数奇な物語。東京の広告代理店を舞台に、ネット証券立ち上げ宣伝プロジェクトの進行とともに、物語も展開する。

 中心人物は「東邦広告」京橋第12営業局5部の辰村祐介副部長。同じ情報産業とは言いながら、広告業界の内情はさっぱり分からない。分からないながらも、時代の先端を走っている産業であることだけは何とか感じられる。それにしても、読了後も理解できない部分が多い。

 そんなことはどうでもいい。本を読む楽しみというのは、どれだけ、物語の登場人物に感情移入できるかどうかだ。登場人物の言葉、態度、行動パターンを違和感なく、認めることができるかどうかだ。辰村祐介の行動は桁外れで、普通のサラリーマン、一般の生活人の基準とは掛け離れている。かと言って、それが感情移入を阻害する理由にはならない。

 それにしても、文章がやけにうまい。練りに練り上げた文章だろうが、ほれぼれするような会話が繰り広げられる。日常生活ではこんな会話のキャッチボールはまず、無理だろうな。でも、これが文学なのだろう。

シリウス:大犬座の首星。光輝全天唯一の白色星。白色矮星と連星を成す。オリオン座に続いて冬の空を飾る。(広辞苑)

①ダックスフントのワープ(1987年2月、集英社)
②テロリストのパラソル(1995年9月、講談社)
③ひまわりの祝祭(1997年、講談社)
④雪が降る(1998年6月、講談社)
⑤てのひらの闇(1999年10月、文芸春秋)
⑥蚊トンボ白鬚の冒険(2002年4月、講談社)
⑦シリウスの道(2005年6月、文芸春秋)

「亀も空を飛ぶ」

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2005/07/09  11:33


荒れ果てた大地に明日の世界を見た少年少女がいる。
2003年3月、米軍によるイラク侵攻が開始され、国境の小さな村に運命のときが訪れる。
イラク・クルディスタンを舞台とした21世紀の叙事詩。

試写会で「亀も空を飛ぶ」(2004年製作、バフマン・ゴバディ監督作品)を観た。ゴバディ監督 はイランのクルド人。その彼がイラク北部のクルド人の村でつぶさに見た実情をリアリズムと  幻想を交えた手法で描いた。デビュー作は「酔っ払った馬の時間」(2000年)、ほかに「わが故郷の歌」(2002年)。9月19日(土)より岩波ホールで公開予定。

こどもたちが主人公だ。戦争で荒廃したクルド地方で、地雷を掘り起こし、そのわずかな現   金収入でたくましく生きる少年少女たち。そのこどもたちを束ねる利発な孤児の少年サテライ ト(ソラン・エブラヒム)が寄せる、別の部落から来た盲目の赤ん坊を連れた難民の少女アグリ ン(アワズ・ラティフ)への慕情。かたくなに心を閉ざすアグリンには両腕のない兄ヘンゴウ(ヒ ラシュ・ファシル・ラーマン)がいた。

真っ先に戦争の犠牲者になるのはいつもこども。悲惨な現実を背負いながら、それでもたくま しく生きていくこどもがいる一方 その絶望的な重みに耐えられず、生きることをやめざるを得 ないアグリンのようなこどももいる。こどもたちの心の傷は深く、重い。

風変わりで印象的なタイトルについて、ゴバディ監督は以下のように答えている。

「タイトルはいつも印象的なものを心がけています。しかしその意味を説明するのはむずかし い。皆さんに感じ取ってもらいたいと思います。あえてお答えすれば、亀は自分の甲羅を脱ぐことはできません。クルディスタンに暮らす人々もまた、自分の宿命を背負いながら生きています。戦乱の続くこの土地で多くの人々は家財道具を背負いながら、幾つもの山を越え、移動を繰り返してきました。この映画では、自分の子供をいつも背負っているアグリンが登場します。ヘンゴウもまた、両腕がないという宿命を背負って生きています。実際、彼の泳ぐ姿は亀のそれと似ています。彼らを救うのは、アグリンのように空を飛んでしまうことなのかもしれません」(配給元の「オフィスサンマルサン」のHPインタビュー)

2004年サンセバスチャン国際映画祭グランプリ
第5回東京フィルメックス審査員特別賞、アニエスベー観客賞
2004シカゴ国際映画際審査員特別賞
2004サンパウロ国際映画祭観客賞
2005ロッテルダム国際映画祭観客賞
2005ベルリン国際映画祭平和映画賞
 

「柿の葉すし」

カテゴリー: 東京日誌

2005/07/04  23:59


 「柿の葉すし」の由来はこうだ。

 今は昔ー。

 鎌倉幕府の滅亡とともに、
 京の都を占領する足利尊氏。

 後醍醐天皇はわずか3年にして、
 大和の国吉野の里にのがれます。

 後醍醐帝から下ること三代、後亀山天皇の御代、
 皇孫の空因親王が、笠木峠を越えて天河の里に御幸されたときのこと。

 ある村人が親王に鯖すしを献納します。
 親王はことのほかに、ご賞味され、
 臣下に分け与えようとされましたが、器がありません。

 親王は御自ら、とっさに
 柿の葉をお採りになり、
 それに鯖すしをのせて下賜されました。

 それが「柿の葉すし」の始まりと伝えられています。

 柿の葉を押し開くと、色鮮やかな、「さば」や「紅ざけ」が、いにしえ人の心を
 今、優雅に伝えてくれます。

 以上、「柿千の柿の葉すし」(製造者:株式会社 あじみ屋=大阪府松原市)の能書き。柿の葉すしと言えば、今や奈良県の超有名な「特産物」になってしまった感があるが、てっきりある1つの業者のブランド名だと思っていたら、そうではなかった。業者はたくさんあり、どこもが「われこそは・・・」と名乗っているようだ。

 週末、またしても関西行。新幹線に乗れば、当然のことながら弁当。食べたのが、この「柿の葉すし」でした。おしいかったですよ。最近、奈良を訪ねた親戚筋によれば、「柿の葉すし」もおいしいところから、そうでないところまで、いろいろあるとか。まあ、そんなもんでしょう。

「商品取引入門」(日経文庫)

カテゴリー: Books

  00:19


 日本経済新聞社が「商品取引入門」(日経文庫、本体830円+税)を出した。同じ日経文庫の「商品取引の知識」を抜本的に書き換えたものだ。旧書と異なるのは「現物取引」ではなく、「先物取引」に焦点を絞った点だ。先物取引が現物取引の先行指標になってきていることを踏まえたものだ。

 もちろん、「現物取引」を無視して「先物取引」は成り立たない。現物市場が先物市場の原市場だからだ。現市場なくして、デリバティブ(派生)市場は存在しない。日経はこれまで現物市場主体の報道が中心だったが、商品市場の流れが先物主導型に変化しつつあることをここへきてはっきり認識したのだろう。目次は以下の通り。

1.商品市場に着目するワケ
 1.コモディティーの復権
 2.流れ込むマネー
 3.需給構造が大きく変化
 4.日本の商品先物も転機に
Ⅱ.商品市場の特徴と仕組み
 1.売買と値決めの基本
 2.標準品を取引する
 3.ハイリスク・ハイリターン
 4.公正・透明な価格
Ⅲ.商品取引の実際
 1.売買の進め方
 2.手ぶりとシステム売買
 3.取引証拠金と委託手数料
 4.限月・発会・納会・場・節とは
 5.値幅制限
 6.供用品とは
 7・売買高と建玉の違い
 8・決済の方法
Ⅳ.多様化する投資手段
 1.初心者向きのファンド
 2.オプション取引
 3.指数取引・ドル建て取引
Ⅴ.商品取引にかかわる組織・法律
 1.商品取引所法が基本ルール
 2.取引所の組織と運営
 3.商品取引会社が仲介
 4.クリアリングハウスを導入
 5.セーフティーネットを拡充
 6.自主規制団体の役割
Ⅵ.商品市場の歴史
 1.16-17世紀に源流
 2.激変する経済環境
 3.交錯するマネー
 4.世界に広がる市場間競争
Ⅶ.世界の商品取引所
 1.日本の商品取引所
 2.米国の商品取引所
 3.欧州の商品取引所
 4.アジアの商品取引所
Ⅷ.各商品を見るポイント
 1.原油
 2.石油製品
 3.貴金属
 4.非鉄金属
 5.穀物
 6.農畜産物
 7.天然ゴム
 8.繊維
 9.未上場商品

糖尿病

カテゴリー: 東京日誌

2005/07/01  08:43


 田んぼばたで立ちションするとよ。
 普通の人のはチョウチョが止まるけどよ
 俺のはミツバチが止まるんだよ。
 糖尿だからよ。

 ある会合で、親戚縁者が集まった。故人を偲びながらも、あちらこちらで座談の華が咲いたのは「糖尿病」。高齢の人もあれば、まだまだ若い50代前半の人も。福島の田舎から来た人も、東京に住んでいる人も。何でまた、こんなに糖尿病が多いのだろう。生活習慣が似通ってきたからか。

 和裁の縫い子さんや観光バスの運転手さん。これは分かりやすい。座ってばかりで、どうしても運動量が圧倒的に少ないからだ。観光バスの運転手さんは職場が職場。現地に着いても、お膳の前から動かない。職業病だろう。

 会社の健康診断の結果が届いた。「糖尿病の疑いがあります。精密検査を受けてください」。空腹時血糖値・・・。どうしよう。先輩たちに対策を聞きまくった。食事を少し減らすこと、運動を少し増やすこと。取りあえずはこれしかない。これだけでも効果的だとか。「インスリン自己注射」だけはやりたくないな。

小夏

カテゴリー: 東京日誌

  08:15


 「小夏」ちゃんというのは飴玉とばかり思っていたら、違った。ゴルフボール大の夏みかん。もっと大きいのもあって、サイズはさまざま。夏みかんほど大きくはないので、「小夏」と呼ぶのだろうか。知人からもらったが、こんなものがあるなんて・・・。世の中、やはり広い。

 繊維質、ビタミン豊富な中身もおいしいが、食べ忘れてはならないのは白い「甘皮」部分。黄色い外皮をりんごの剥き方同様むいた後に残る白い「甘皮」、これを厚めに残すのがコツだ。この「甘皮」がその名の通り、何とも甘いのだ。味もさっぱり。

 かつてご紹介した「文旦」同様、南国土佐の産。以前食べた文旦は「冬文旦」。夏は夏で「夏文旦」があるという。形は不ぞろい、見た目も悪い。しかし、味は他の果実ひけをとらないとか。「ぶさいく、やけんど うまいで~」(おおぐし農園「こなつ通信Stage17」=高知県宿毛市樺412-1)。