2006年1月 のアーカイブ

げすいた

カテゴリー: 東京日誌

2006/01/29  23:51


  寒い日に風呂に入るのはちょっと辛い。服を脱いでお湯に浸かるまでの時間がやたらと長く感じられ、その間に風邪を引きそうな気になるからだ。とりわけ、お湯に浸かるまでに、身体がびくっと震える。この時間は短ければ、短いほど望ましい。

 そんなときに必ず思い出すのが昔のお風呂。鉄釜の五右衛門風呂だ。昔の家の風呂は土間を横切ったところにあって、そこまで行くのがまた実に寒かった。風呂場に入って、服を脱いで、中に入るまでがさらに寒かった。

 五右衛門風呂はかまどの上に鉄の釜を据え、下から薪を炊いて直火で沸かすのだが、何せ鉄の釜。そのまま入ると、とんでもなく熱い。それゆえ、釜の底に木製の「げすいた」(底板)を沈め、足が直接釜の底に触れないよう、細心の注意を払わなければならない。

 「げすいた」をうまく底に沈めるには、両足で上手に踏ん張るなど、それなりの経験と技術が必要で、バランス感覚がものを言う。バランスを崩すと、沈下に失敗し、痛い(熱い)目に遭う。この作業に時間を要すれば要するほど、寒さを甘受しなければならなかった。

 あれは50年ほどの前のことだった。子供心に、あの頃のことを覚えているから不思議だ。それにしても、便利な世の中になったものだ。ちょっと、お湯の温度が下がれば、片手で「追い焚き」のボタンを押すだけ。あっという間に、熱くなる。もちろん、ユニットバスに、「げすいた」など無用の存在だ。現代はもう、思い出を作れない時代なのだろうか。

「8月のクリスマス」

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2006/01/28  12:22


 毎日をいかに忙しくするか。無駄な時間をどれだけ減らせるか。そんな生活をどうしたら実現できるか。それが毎日の最大のテーマだ。「Hard Work,Hard Play」-つまり「Hard Live!」が信条だ。

 スケジュール帳に目一杯、予定を詰め込む。少しでも空いた時間をなくすため、無理やりに予定を入れ込む。1つの予定がたとえキャンセルになっても、その場合、代替できる予定を考えておくのも大事だ。予定がないと不安なのである。

 仕事の予定だけでないのがせめてもの救いかもしれない。まだ現役だから、会社の仕事は放っておいても入ってくるが、プライベートの予定はそれなりの努力が必要だ。それも、それだけの時間を投入するのだから、それにふさわしい内容でなければ、満足できない。

 それゆえに、そのプライベートな予定を継続的に作り出すのもそんなに簡単なことではない。いつも、いつも、次は何をどこでどうするかを考えていなければならない。毎日が予定のことで頭が一杯だ。

 こんな生活は、「動的な生活」とでも呼ぶのだろうか。自ら動くことによって、何らかの「動き」を作り出していく。その「動き」が別の新しい「動き」を呼び起こし、それらの派生的な動きがある一定の方向性を作り上げていく。実際にそうならなくても、それが普通の流れだろう。

 「8月のクリスマス」(2005年日本映画、長崎俊一監督、飯田橋ギンレイホール)を観ながら、ここには全く別の時間が流れているのを知った。静的で、控えめで、清潔感、透明感に溢れ、それでいて暖かな世界。現実の世界とあまりにもかけ離れた、失われた風景。

 主演:山崎まさよし、関めぐみ、大倉幸二

 

CME株価が史上最高値更新

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2006/01/27  01:02


ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場されているシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の親会社、CMEホールディングス社の株価が24日、前日比23・95ドル高の408.42ドルと初めて400ドル台を付けて終わった。昨年11月25日に付けた最高値(396.90ドル)を更新した。

 これは先に伝えられたCMEによるニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)株式10%買収交渉が決裂したことが好感されたようだ。もし、合意していれば、CMEは会員組織のNYMEXとの間で、”文化的な衝突”に直面したとの見方が強かったが、交渉決裂の結果、それが回避されたことが市場で評価されたようである。

 また価格が高騰した背景には文化上の衝突回避とともに、CMEがエネルギー先物の上場を計画しているとの思惑もありそう。CMEは電子取引システムの「グローべックス」を武器に全米最大の先物取引所にのし上がったが、同システムにエネルギー先物を上場すれば、依然、伝統的な手振り方式の取引にこだわっているNYMEXから流動性を奪うことも考えられる。これも歓迎されたようだ。
 

老人大国

カテゴリー: 東京日誌

2006/01/25  23:57


 このところ乗る電車の乗客が老人ばかりのように思えて仕方がない。錯覚ならば、それに越したことはないのだが、どうもそうではなさそうだ。少子化が加速的に進行し、その分、確実に高齢化に弾みが掛かっているのは紛れもない事実である。

 自分もその”老人”の仲間入りをしつつあるはずだが、なかなかそれは認めたくないらしい。つい、老人から目を背けたりするのは現実逃避も甚だしい。何ごとも、事実からスタートしなければならない。いくら自分では”老い”を認めたくなくても、厳然とした事実は受け入れるべきだろう。

 都会でこうだから、田舎にいけば、もう”老人”だらけではないか。そう言えば、郷里の田舎でも、子供が外で遊んでいる姿を見る機会が極端に減った。子供など、どこにも居ないのではないかと思ってしまうほどだからだ。どこに居るのか。そもそも居ないのではないか。

 私の所属する村落共同体の最小単位である「部落」(100軒ほどか)にはかつて同級生が何と23人もいた。この23人が学校から戻ってくると、外で一斉に遊ぶのである。どこを見ても、こどもが溢れている光景が広がっていた。教室でもそうだった。あれは何だったのか。

 中国は13億人が住んでいるという。1人子政策にして、そうである。実態はもっといるのではないか、というのが衆目の見るところである。それだけの胃袋を満たすというのは大変なことだろう。

 中国国家統計局が1月25日発表したところによると、2005年の同国の国内総生産(GDP)の前年度伸び率は物価変動の影響を除いた実質ベースで9.9%だった。GDPの規模ではフランスを抜いて米国、日本、ドイツ、英国に次いで5番目になった。

 人口が多いということは大変なことである。大変な力である。それだけで存在感が高まる。戦後の日本社会は人口増加→成長を前提に成り立ってきた。それが反対のサイクルに入ったのだ。考えてみると、これは大変なことである。考えなくても、想像力を少し働かせば、分かることだ。いやはや、大変な時代になりました。

 

NYMEX株10%取得はGAに軍配か

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2006/01/24  23:58


 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)株式の一部売却をめぐる交渉が最終局面を迎えている。民間証券会社のゼネラル・アトランティック社(GA)とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がしのぎを削っているが、ここへきてGAが買収金額を引き上げた結果、どうやらGA側に軍配が上がりそうな気配である。

 NYMEXとGAは昨年11月、NYMEX株式10%を1億3500万ドルで売却することで暫定合意したが、一部NYMEX会員から安過ぎるとの異議が唱えられたことで、話がこじれた。そこへ、同12月、全米最大の先物取引所であるCMEがNYMEXへの資本参加に意欲を表明したことで、俄然、買収合戦の様相を見せていた。

 NYMEXとCMEの交渉はCMEの電子取引システムであるグローベックスの利用コストをめぐって決裂したもよう。一方、GA側は買収価格を1億7000万ドルに引き上げ、交渉で優位に立ったといわれる。

 GA(本社コネティカット州)はニューヨーク証券取引所(NYSE)が先に買収した電子取引会社アーチペラゴ・ホールディングス社の株式を保有している。NYSEは2月に上場する予定で、その暁にはGAはNYSE株を約7%保有する見込み。

 CMEは金融先物やコモディティーで強力な商品を持っているが、エネルギー関連の商品は上場しておらず、NYMEXの独占を許しているのが実情。これだけ石油価格が高騰し、流動性が高まっている以上、何とかしてエネルギー商品の絡みたいのは正直なところ。NYMEXへの資本参加が不可能になった場合、自前のエネルギー先物商品の上場に動くとの観測がもっぱらだ。

 

ロイド・ジョージ・マネージメントが日本法人開設

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2006/01/23  23:39


外資系投資会社がどんどん日本市場に入ってきている。日本経済がデフレから脱却し、本格的な投資機会がやってきた、との判断からだ。機を見るに敏な外資だから、もちろん逃げ足も速く、諸手を挙げて歓迎というわけにはいかないにしても、海の外の世界が日本をどのように見ているかを知る上では、彼らの動向を知ることは大いに参考になるはずだ。

 昨年11月7日付で日本法人「ロイド・ジョージ・マネージメント・ジャパン」(高井正彦社長)を設立し、今年1月から正式に業務を開始したのがロイド・ジョージ・マネージメント(本社香港、ロバート・ロイド・ジョージ会長兼CEO)。

 ロイド・ジョージ・マネージメントはロバート・ロイド・ジョージ氏が1991年に香港で設立したインド、中国に特化した株式投資ファンド。今回、「日本のファンダメンタルは変化し、新しい成長の時代に入った」(ロイド・ジョージCEO)として日本株投資を開始したものだ。

 同ファンドはインド、中国などのアジア諸国のほか、ロシア、ブラジルなど新興成長市場で、約120億ドル(約1兆3000億円)の資産を運用している。資産運用を委託しているのは欧州、米国、中東などの機関投資家や政府系投資家などだ。

 日本法人開設記念パーティーが開かれたのが香港系進出高級ホテル「マンダリン・オリエンタル東京」(東京都中央区日本橋室町2-1-1)3階の「リンデン」。100人ほど入れるパーティー会場だが、日系、外資系などさまざまなファンド関係者でぎっしり。

 英国の元首相を務めたデービッド・ロイド・ジョージ(1863-1945)家の末裔だというロバート・ロイド・ジョージ氏に、この日、堀江社長が逮捕されたライブドア問題について訊ねたら、「みんなそのことを聞くけど、何も知らないんだ。でもその問題の影響は個別的な問題で、日本経済の成長力には影響はない」ときっぱり。

 「マンダリン・オリエンタル東京」が30-38階に入る日本橋三井タワー。実は本当のお目当てはこのビル。三越本店、隣がギリシャ建築様式の三井本館、その隣にあったのが「千疋屋フルーツパーラー」だったが、その跡地にいつの間にか、超高層タワーが建っていた。

 新宿、大手町、汐留、丸の内、品川、それに日本橋と東京の変貌ぶりは驚異的だ。株式投資ファンドよりも早く、不動産投資ファンドはとっくの昔に対日投資に取り組んでいる。オイルマネーを中心に、世界には過剰流動性が有望な投資先を求めて回流している。日本は格好のターゲットなのだろう。”マネー敗戦”の二の舞にならないことを祈るばかりだ。

調理祭

カテゴリー: 東京日誌

2006/01/22  23:44


 21日(土)未明から降り積もった雪がまだあちこちらに残る東京・新宿の高層ビル街。22日(日)は一転、青空が戻ったものの、日陰は寒く、風も冷たい。東新宿から歩いてきて、警視庁新宿署の前を過ぎたところで目に入ったのが「調理祭」なる張り紙。

 「新宿調理師専門学校」(東京都新宿区西新宿6-5-3)の第35回調理祭。同校の生徒諸君が日ごろの学習成果を発表する場。一般にも開放されていたので、終了間際の30分程度、見学した。

 在校生の作品展示会場には日本料理、西洋料理、中国料理が所狭しと並べられ壮観。金賞、銀賞、銅賞、佳作などと評価もされていたが、どの作品も若さに溢れて元気が良かった。どういうわけか、昨年末には南新宿の服部栄養専門学校をのぞいたばかり。

 面白かったのは資料室で行われていた特別展示「庖丁」。実にたくさんの庖丁(包丁)が展示され、こちらも壮観。「生きとし生きるものの中で、人だけが調理をする。その調理を代表する器具が包丁だ。祖先が使い始めた最初の刃物は石包丁(約2000年前の弥生時代中期ごろ)」だとか。

 包丁は各国それぞれの料理文化の発展により種類が多い。代表的なのは「和包丁」(日本)、「中華包丁」(中国)、「洋包丁」(西洋)。和包丁では堅い物や魚鳥をおろすのに用いる出刃包丁、野菜を切る薄刃包丁、刺し身包丁などがある。以下は特殊用途のものだ。

 ・芋切り(干し芋作りに使う)
 ・西瓜切り
 ・薬草切り
 ・河豚引き
 ・蛸引き
 ・鰻裂き
 ・どじょう裂き
 ・鱧絞め、鱧切り
 ・鰹切り(鰹節を作るときに使う)
 ・蕎麦切り
 ・菓子切り
 ・飴切り(棒状の飴を切るのに使う)
 ・カステラ切り
 ・羊羹切り
 ・餅切り(かき餅を作るときに使う)
 ・和風牛刀
 ・鯨切り(鯨の解体用の刃物)

クラブ帝

カテゴリー: 東京日誌

2006/01/21  15:57


 寒波の到来で、翌日の未明には雪がちらつくとの予報が出ていた1月20日(金)の夜。会合があったので、短時間、仕事を抜け出し銀座を足早に歩いていたら、匂ってきたのが花の香り。近寄るにしたがって、その香りは強まるばかり。

 そして、目の前に現れたのが背丈に近いスタンドに飾られた生花の行列。バラやかすみ草など知っている花、知らないたくさんの花。銀座日航ホテルの対面の角からヤナセのショールームまでのワンブロックの歩道は花のスタンドで埋め尽くされた。距離にして約200メートル。

 「祝御誕生日 クラブ帝 中原瑞枝ママさんへ」-。どの花にもメッセージが添えられていた。さすが銀座である。美観、壮観、圧巻。道行く善男善女も立ち止まって見とれたり、写真を撮ったり・・・。この世の花園のようでありました。

 でもどうしたことか、花を捧げた紳士たちの肩書きを見ても、知らない社名ばかり。一部上場企業のエグゼクティブ氏たちも銀座で飲んでいるはずなのに、これはどうしたことか。自分の名前を出すのがはばかれるのか、それとも自腹で飲んでいないからなのか・・・。

 Club Mikado。そう言えば、銀座で”豪遊”したことがわが人生で2度。どちらもはしごした店の数は5軒はくだらない。夜7時ごろから飲みだして、切り上げるのは2時、3時。どの店で飲んだのかも定かではない。銀座で飲むのは男の甲斐性か。

 会社や他人の金でなく、自腹で思いっきり飲めるときが、果たして生きているうちにあるのだろうか。いつかは実現してみたいものだ。人生の持ち時間はそんなに多くなくなってきているが、ささやかで愚かな夢かも知れない。でも、夢はないよりましか。

高野山東京別院

カテゴリー: 東京日誌

2006/01/17  23:30


 高野山(和歌山県)は弘法大師・空海が弘仁7年(816年)に嵯峨天皇から開創の勅許を得て、真言密教の根本道場として開いた真言宗の聖地だ。総本山は「金剛峰寺」(こんごうぶじ)と呼ぶのだそうだ。しばらくすれば、開創1200年迎える。

 この高野山の”東京事務所”が東京別院である。東京都港区高輪。別院は徳川幕府時代における高野山の江戸在番所として元禄年間に芝二本榎に創立された。高野山の重役の交代や参勤交代などもっぱら幕府との折衝役を務めるのが主たる役割だったという。

 過日、大口ユーザーの先代社長が亡くなられ、葬儀が催されたのがこの東京別院。場所が場所だけに、てっきり仏式だと思っていたら、神式。神官が葬儀を主宰し、故人に捧げたのも榊だった。

 最近は仏閣も施設を貸し出すのだと言う。仏閣が神社に場を貸すというのも珍しくなさそうで、びっくりするほうがおかしい、のだそうな。高輪あたりは理由が分からないが、とにかくお寺が多い。最も有名なのはご存知、泉岳寺。

 

印度カレー中栄

カテゴリー: 東京日誌

2006/01/16  23:28


 ミーティングのため築地市場内に行った帰り、ときどき立ち寄るようになったのが「印度カレー中栄(なかえい)」(東京都中央区築地5-2-1中央卸売市場内1号棟)。カウンターだけの、どうってことのない店だけど、これが何とも歴史があるのだ。

 大正元年、日本橋の魚河岸(昔は魚河岸は日本橋にあった)にて創業。関東大震災後、築地に移転し現在に至っているそうな。伝統の味である。その味を作るのはで伝統製法。タマネギの皮むきから最後の仕上げに至るまで、手作りにこだわるのが中栄流。

 辛口の印度カレー、甘口のビーフカレー、さらにはハヤシライス。このうち2種類を盛った合いがけは名物。とにかく速い、安い(500円)、うまい。商店街の隣の隣あたりに、なぜか牛丼の吉野家1号店が店を出しているところが面白い。これまでも、もちろん今も、この店だけでは牛丼を食べられたのは嬉しかった。

 カレー皿の脇に千切りキャベツが盛られているのがこれまた中栄流。キャベツをルーに混ぜ込みながら食べるのだ。大雪でキャベツが高騰。「大変ですね」と言葉を掛けると、「そうですね。でも仕方ないですよ。安いときもありますから」と4代目社長の円地政広氏は威勢が良かった。