クラブ帝

 寒波の到来で、翌日の未明には雪がちらつくとの予報が出ていた1月20日(金)の夜。会合があったので、短時間、仕事を抜け出し銀座を足早に歩いていたら、匂ってきたのが花の香り。近寄るにしたがって、その香りは強まるばかり。

 そして、目の前に現れたのが背丈に近いスタンドに飾られた生花の行列。バラやかすみ草など知っている花、知らないたくさんの花。銀座日航ホテルの対面の角からヤナセのショールームまでのワンブロックの歩道は花のスタンドで埋め尽くされた。距離にして約200メートル。

 「祝御誕生日 クラブ帝 中原瑞枝ママさんへ」-。どの花にもメッセージが添えられていた。さすが銀座である。美観、壮観、圧巻。道行く善男善女も立ち止まって見とれたり、写真を撮ったり・・・。この世の花園のようでありました。

 でもどうしたことか、花を捧げた紳士たちの肩書きを見ても、知らない社名ばかり。一部上場企業のエグゼクティブ氏たちも銀座で飲んでいるはずなのに、これはどうしたことか。自分の名前を出すのがはばかれるのか、それとも自腹で飲んでいないからなのか・・・。

 Club Mikado。そう言えば、銀座で”豪遊”したことがわが人生で2度。どちらもはしごした店の数は5軒はくだらない。夜7時ごろから飲みだして、切り上げるのは2時、3時。どの店で飲んだのかも定かではない。銀座で飲むのは男の甲斐性か。

 会社や他人の金でなく、自腹で思いっきり飲めるときが、果たして生きているうちにあるのだろうか。いつかは実現してみたいものだ。人生の持ち時間はそんなに多くなくなってきているが、ささやかで愚かな夢かも知れない。でも、夢はないよりましか。

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