2005年10月 のアーカイブ

ミリオンダラー・ベイビー

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2005/10/22  23:56


「ミリオンダラー・ベイビー」を観た。2005年度アカデミー賞主要4部門に輝いた。作品賞、監督賞(クリント・イーストウッド)、主演女優賞(ヒラリー・スワンク)、助演男優賞(モーガン・フリーマン)。

 テーマがテーマである。ジムを経営する孤独なトレーナー、フランキー(クリント・イーストウッド)と家族の愛に恵まれないながら、ひたむきかつハングリーに練習に励む31歳の女ボクサー志願者マギー(ヒラリー・スワンク)がボクシングを通じてお互いの絆を強めていく魂の物語。

 フランキーの訓練の甲斐もあって、100万ドルを賭けた世界タイトルマッチに出場するまで成長したマギーだったが、彼女を待っていたのはチャンピンが仕掛けた反則行為による脊髄破損。敗退。片足切断。二度とリングに上がれない身体になってしまった。

 生命維持装置を外すよう頼むマギー。最後はそれを受け入れるフランキー。2人を黙然と見守るジムの用務員(モーガン・フリーマン)。心に染み入るような抑制的な音楽。こういう愛もあるもんだな、としみじみ感じた。久しぶりに静かな映画を観たように思う。忙しくしている人ほど、こういう静かな時間が必要だろう。

「IBMシステム・コンファレンス2005」懇親会

カテゴリー: 東京日誌

2005/10/18  23:50


IBMシステム・コンファレンス2005
~オンデマンドを支えるITシステムの現在と未来~

IBM Systems Agenda
未来につながる戦略

Virtualization(仮想化)

Openness(オープン化)

Collaboration(協業化)

 案内状をもらったので、「IBMシステム・コンファレンス2005」の懇親会をのぞいた。ウエスティンホテル東京(東京都目黒区三田1-4-1)。恵比寿ガーデンプレイス内だ。懇親会場の前面に掲げられたメッセージが口を噛みそうな上の言葉。

 ビジネスの成功の鍵を握るのは今やIT基盤。それに取り組むIBMの戦略と方向性を示したのが今年5月、同社が発表した「IBM Systems Agenda」なのだという。Agendaは「Virtualization」「Openness」「Collaboration」の3つを柱に、「ビジネス戦略に呼応するIT基盤の構築を実現し、お客様のビジネスの成功と価値創造の強化をご支援してまいります」と謳う。

 システムの人間ならともかく、自慢じゃないが、それとは最も遠い世界の人間だ。言葉だけなら、何となく分からないでもないが、実体を理解できるバックグランドがないから、はっきり言って、ちんぷんかんぷんである。こういうのを理解できないと、今やIT時代に付いていけないのだろうな。

 しかし、冒頭あいさつした大歳卓麻社長の言葉はよく分かった。借り物でない言葉はやはり温かい。同じ言葉でも、コンピューター業界やIT業界で使われる言葉は何と無機質極まりないのだろうか。

脱落する中流層

カテゴリー: 東京日誌

2005/10/16  17:01


 今はとても幸せである。日曜日の昼下がり。あんなに暑かった夏だったのに、順番を間違えずに、きちんと季節を秋に譲った。太陽が北半球から遠ざかっていく恒久的な地球の営みは偉大だ。四季の巡り替わりは年々、加速度を付けているように感じるが、それでも酷暑も酷寒も一定の時間が経過すれば、過ぎ去ると考えれば、耐えられるというものだ。

 「夢工房」と名付けた3畳の狭い書斎の中で、チャン・スーの演歌を聴きながら、溜まった新聞の切り抜きに精出しているときはまさに至福です。仕事絡みのニュースチェックもやるにはやるが、なかなか普段はゆっくり目を通せない文化欄や生活面を読むのがとりわけ楽しい。久しぶりにドリップで入れたコーヒーもおいしい。

 読みたい本もたくさんあるし、いろんなところにも行きたい。会いたい人もたくさんいる。夢が膨らむ。無いのは時間とお金だけか。お金はともかく、時間だって、もうしばらくすれば、嫌というほど持つことになるのだろう。文字通り、時間の問題だ。そうすると、やはり、最大かつ最後の問題はお金か。

 「1億総中流」と言われたのはもはや過去のこと。いち早く市場経済にIT(情報技術)を取り込んだ目先の利いた先見者が富を加速的に集中させる一方で、乗り遅れた人間は中流層からも脱落し、下層に転落するしかない。 貧富の差がすさまじいまでに開いていく。

 改革は必要なのだろう。現状を少しでも良くするためには。しかし、そのために犠牲になるものも大きいことが最近、気になって仕方ない。改革は楽ではない。現状を否定しなくてはならないからだ。現状に甘んじているほうが楽だからだ。今はそれも許されない時代なのだろうか。

 (これを書いている最中に、関東地方に地震があった。震源地は茨城県南部で、我が家も震度4。乱雑に積み上げていた本や資料、新聞が机から落ち、狭い部屋に散乱した。地震は嫌いだ。とにかく、自分の存在そのものが揺れることは本能的に恐怖感を覚える)

 9月総選挙で小泉自民党が圧勝した。国民が”改革政党”としての自民党を評価したためだ。特に特徴的だったのは、若者を中心とした無党派層が自民党に投票したことだ。正確に言えば、「自民党をぶっ壊す」と吼えている小泉純一郎を支持したとみるのが正しいだろう。

 でも、小泉首相は座長役者である。座長にとって最大の関心は公演を成功させることである。一か八かの勝負を賭けた公演は見事成功したが、それで、中流層や下流層が救われるかとなると、問題は別である。強者の論理としか思えない。

 小泉首相には懇談の場で何度か会った。彼の肉声や佇まい、醸し出す雰囲気などは個人的には嫌いではない。大変な個性だ。投げ返ってくる言葉も実に印象的だ。「政策」ではなく、「政局」が好きな人だ。追い込まれれば追い込まれるほど、闘志が湧いてくるタイプである。国民はいろんな意味で、大変な人物をリーダーに戴いている。

 小泉純一郎は「壊す人」である。重要なのは彼の次に首相の座に「創る人」が座るかどうかである。旧態依然の人でないことを祈りたいが、好戦的だけではなく、弱者にも配慮できる人間的な温かみを持った政治家であることを期待したい。

「定年後の居場所を創る」

カテゴリー: 東京日誌

2005/10/10  00:07


 自慢じゃないが、「団塊の世代」である。第二次大戦直後の1947-49年生まれ。680万人と総人口の約5%を占めるとか。別に頼んで、その時代に産んでもらったわけでもないのに、勝手に名付けられて、むしろ迷惑している。

 世の中がこの「団塊の世代」をちやほやしているのはわれらの世代が受け取るであろう退職金を狙っているからだそうである。数10兆円に上るというのだから、大変な額である。何でも、数の力というのは大変なものである。人口13億人の中国の存在が脚光を浴びるのも当然である。実に恐ろしい数だ。

 「団塊の世代」を当て込んだ事業やビジネスがあちこちで花盛りだ。「北海道移住フォーラム」(日経主催、10月8日、東京・大手町の日経ホール)と銘打った催しも要はその1つだろう。「定年後の居場所を創る」と題して基調講演したのはノンフィクション作家としてよりも、最近では定年評論家としてのほうが名高い加藤仁氏。彼の述べたポイントは3つ。

①自分の好きなことに徹底的にこだわること。そこから何かが開けてくる。
②自分の好きなことを一点突破していく。そこを基点に収入や健康、生きがいを考えていく
③そこで暮らす自分の役割を見つける

 4人のパネリストたちは定年後の移住先として北海道の魅力を思い入れたっぷりに語ってみせたが、どこで住みたいかは人それぞれ。どこで住もうと、問題はいかに精神的に豊かなI生活を送れるかだろう。文字通り、生き方の問題だ。定年後の生き方について考えさせられたフォーラムだった。