ミリオンダラー・ベイビー

「ミリオンダラー・ベイビー」を観た。2005年度アカデミー賞主要4部門に輝いた。作品賞、監督賞(クリント・イーストウッド)、主演女優賞(ヒラリー・スワンク)、助演男優賞(モーガン・フリーマン)。

 テーマがテーマである。ジムを経営する孤独なトレーナー、フランキー(クリント・イーストウッド)と家族の愛に恵まれないながら、ひたむきかつハングリーに練習に励む31歳の女ボクサー志願者マギー(ヒラリー・スワンク)がボクシングを通じてお互いの絆を強めていく魂の物語。

 フランキーの訓練の甲斐もあって、100万ドルを賭けた世界タイトルマッチに出場するまで成長したマギーだったが、彼女を待っていたのはチャンピンが仕掛けた反則行為による脊髄破損。敗退。片足切断。二度とリングに上がれない身体になってしまった。

 生命維持装置を外すよう頼むマギー。最後はそれを受け入れるフランキー。2人を黙然と見守るジムの用務員(モーガン・フリーマン)。心に染み入るような抑制的な音楽。こういう愛もあるもんだな、としみじみ感じた。久しぶりに静かな映画を観たように思う。忙しくしている人ほど、こういう静かな時間が必要だろう。

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