「わらび餅」あれこれ

 

もう少し上品なわらび餅もあるはずだが・・・

 

洋菓子もいいが、どちらかというと和菓子のほうが好きだ。クリームをたっぷり使った洋菓子は血糖値を上げる。口当たりもよく、ついたくさん食べてしまう。むしろ和菓子のほうが少量ですむのだ。

ずいぶんいろんな和菓子を食べてきたが、なかでもわらび餅は好きだ。光が丘IMAで買ってきたわらび餅はモチモチ、プルプルの食感とほどよい甘さ。

わらび餅の原料は「わらび粉」だ。山菜のワラビの根から採れるデンプン粉を使った菓子なので、わらび餅という名前が付けられた。

似たような菓子に葛餅があるが、葛粉に比べるとわらび粉を作る場合、非常に手間がかかる。わらびの根(地下茎)を掘り起こして、叩いて、ほぐして、洗って、デンプンを取り出し、これを乾燥させるとわらび粉になる。

すべて手作業でわらび餅を作る場合、10kgのわらびの根から取れるわらび粉はわずか70gにしかならないという。しかも、作業は冬の寒いときに冷水で何度も洗わなければならない。100%のわらび粉になるまでには実に半月はかかるという。

現在、よく目にするわらび餅はサツマイモやタピオカから取れたデンプンや葛粉を利用しているものがほとんどで、「わらび粉100%のわらび餅」にはなかなかお目にかかれないという。

よく見掛けるわらび餅は白っぽいが、「加熱すると、非常に黒に近い色になるのが特徴」(京都和菓子☆ドットコム)。黒いコンニャクのようなねずみ色。平安時代の醍醐天皇(885~930)がわらび餅の大ファンだったという説もあり、わらび餅の歴史はかなり古い。

江戸時代には葛粉などを利用したわらび餅が売られており、今名物とされているわらび餅もほとんどが100%わらび粉のわらび餅ではない。

「本わらび粉」という名称でわらび以外のデンプンをまぜて販売しているところも少なくなく、店によって解釈はあいまいだ。表示は非常に重要だが、日本では極めてあいまいな表示も多く、なんちゃって材料が横行しているのが実情だ。

わらび粉が0%でも、「本わらび餅」として売られていることもある。そんなことはどうでもよいか、それともきちっと対応すべしか。業者のモラルが問われるところだ。

わらび粉を全く使っていない白いタイプのわらび餅もそれはそれでおいしい。実はこれは厄介なことである。

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