されど鯛焼き

 

お腹がすいて、どこかで昼飯を食べようかと、キョロキョロしながら歩いていて前を通りかかったのが「福義(ふくよし)」(東京都豊島区東池袋1-9-8)。食堂(ラーメン、やきそばなどの中華)と名代たい焼き屋が中でつながっており、前々から気にはなっていた。やきそば党としてはやきそば以外に選択肢はなかった。

 ついでに頼んだのがたい焼き。皮もぱりぱりとおいしく、しっかり甘味を強調したあんこも結構。三越裏という場所柄にしてはちょっと場違いな風情の佇まいの店。もう古いんですか、と聞いたら、「そうですね。45、46年になるかしら」と店の奥さん。想像した通り、同店は鯛焼きでは屈指の有名店だった。鯛焼きサイトによれば、作っているのは世界に1台しかない「たい焼きロボット」だとか。1個130円。

「柳屋」(東京都中央区日本橋人形町2-11-3)も名が通っている。甘酒横丁にある超有名店で、行列のできる店。ロボットではなく、手作りが売りだ。もう何年も食べていないので味についてはコメントできない。

さらに名の通っているのは言わずと知れた「浪花家総本店」(東京都港区麻布十番1-8-14)だ。創業明治42年。日本で最初に鯛焼きを考案した店だそうだ。都営地下鉄大江戸線が開通するまでは、新興地の六本木ばかりが発展して、麻布十番は”陸の孤島”化していたが、最近は各地から鯛焼きを求める客で大盛況とか。

鯛焼きには目のない人、一家言を持つ人など、博士も多い。それだけ、鯛焼きの世界も奥が深い、ということなのか。焼きそばやオムレツなどどんな食べ物にも熱狂的な通がいる。鯛焼きしかりだ。たかが鯛焼き、されど鯛焼きである。

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