西天目瑞巌山「高源寺」

 「誰もが訪ねる大徳寺の石畳や、大原三千院の参道など美しいけれど、高源寺にくらべると、やはり都の寺だ。足元にもおよばぬ。ここは鬼気せまる禅気がみなぎり、身を置いただけで、胆を洗われる生気があるように思える」(故水上勉)

 訪れたのは10月28日(日)の昼下がり。丹波市青垣町桧倉514。地元では「しぐらのこうげんじ」の名で通っている。石窟寺(せきがんじ)、円通寺(えんつうじ)と並ぶ紅葉では丹波3寺の1つだ。やはり紅葉には早かった。

 高源寺は1325年(鎌倉時代)に遠谿祖雄(えんけいそゆう)禅師が開いた臨済宗の中峰派の本山。後柏原天皇時代には末寺3000寺にも及んだが、室町時代末期の天正年間に織田信長の丹波攻めで焼き討ちに遭い、全て焼失。寛政時代(江戸時代中期)に弘巌和尚(こうがんおしょう)が柏原藩主(かいばらはんしゅ)の援助を得て、現在の建物を建立。

 境内の楓は天目楓。1306年に中国に渡り、抗州天目山で修行した遠谿祖雄禅師が持ち帰ったとされる。境内は苔むして、幽玄の時間を感じさせる。2週間後の11月11日ごろが見頃だと聞いた。紅葉に染まれば、さぞ見事でしょう。

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