電気記念日祝賀会


今年も電気記念日の3月25日がやってきた。記念日行事神戸地区実行委員会の主催だが、実態は関西電力神戸支店の主催。全国各地で行われたことだろう。明治11年(1878年)3月25日に東京虎ノ門でわが国初の電灯が公式に点灯され、昭和3年以来、この日を電気記念日として祝っている。 参加するのは昨年に次いで2度目。今年は加古川市在住の作家、玉岡かおるさんの記念講演が行われることもあって出掛けた。玉岡さんは明治から大正期にかけて、神戸に本社を置いた一大商社、鈴木商店の女社長を主人公にした長編小説『お家さん』を発表したばかり。

演題は「日本人のこころで築く次の時代!~みなと神戸に生きた先人たちの夢の跡~」。小説はまだ読んでいないが、鈴木商店なら知っている。神戸製鋼所や帝人を傘下に持っていた大商社だったが、コメ騒動の煽りを食って取り付け詐欺に遭い、結局破綻を余儀なくされた。

三井、三菱を向こうに回して一時は日本最大の商社の座を占めたが、鈴木商店をそこまで育てたのは「神戸という街が自分たちが相手にしているのは世界だという志を育てたから。港のすぐそばの栄町に本拠を構え、目の前に居留地という世界があり、それを目の当たりにしながら商売をしてきたから」だという。

玉岡さんによれば、コメの買い占めを行ったのは鈴木商店ではなく、鈴木商店は風評被害に遭ったらしい。戦争や政治とは無関係だった鈴木商店は結局、政商に足元をすくわれたのではないか、との評価をしている。城山三郎の『鼠』とともに、『お家さん』を読んでみる必要がある。

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