紅梅@新宿御苑


 日曜日昼下がりの新宿御苑。よく晴れて空気は澄み渡っていた。日射しのある間はとても暖かだった。気持ちが良い。やはり来てみるものである。最も寒い2月がこれから待ち構えているというのに、年が明けるともう気分は春。その証拠に梅がもう咲いているではないか。梅は春を告げる花だ。

 新宿御苑に来たのは実に久しぶりだ。20年以上来ていないような気がする。用もなかった。来たことだけはかすかに記憶している。しかし、全く思い出せない。明治39年(1906)に皇室の庭園となるまでは一時農事試験場だったという。日本庭園やイギリス風景式庭園があるようだ。

 残念ながら公園の中には入らず、新宿門隣りの新宿御苑インフォメーションセンターでアース・ビジョン組織委員会主催の上映会で「タイガの子」(2006年、ドイツ、アンドレアス・フォークト監督と「クルード-むき出しの欲望の果て-」(2007年、オーストラリア、リチャード・スミス監督)の2作品を鑑賞した。

 「タイガの子」は29分の小品。西シベリア・オビ川中流域の厳しい自然の中で育まれてきた先住民族ハンティの生活を少年の日常を通じて紹介する。近くで油田開発が始まり、彼らの生活が脅かされる姿を静かな映像が捉える。アース・ビジョン第16回地球映像祭の子どもアース・ビジョン大賞受賞。

 「クルード」は先に法政大でも観ており2度目。90分の大作で、よくできている。原油開発の結果、炭素がすさまじい勢いで放出され、地球が温暖化していく。その結果、地球は海となり、再び炭素を溜め込んだ原油が地球深くに貯蔵されるプロセスをたどる。温暖化は原油再生の営みの再現でもある。もちろん、人類は生き残れない。地球にとっては懐かしい原点回帰にすぎない。皮肉である。

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