映画『ハゲタカ』

 NHKドラマ「ハゲタjカ」(2007年2月17日~3月24日放映)の映画版。ハゲタカは日本を買い叩く外資系ファンドを印象的に表現したが、「ハゲタカ=悪、買収される日本企業=善」と勧善懲悪的に2元論でばっさり切ったのはあまりにも日本的な皮相な見方だった。

 何を切るにも、一刀両断は小気味いいが、その半面、重要なものも失われる。ニューアンスが丸で変わるのだ。ハゲタカに襲われる日本企業にこそ問題がある。襲われるだけの理由があるからだ。そこに情緒的な勧善懲悪が介入するから、話はおかしくなる。

 ハゲタカ・鷲津(日本ファンド)VS赤いハゲタカ劉(中国ファンド)は説得力のある構図だが、所詮二番煎じ。観ていて、うんざりした。映画の期待しているのは世界がこういう構図の下で動いていることを知る上では意味があるが。

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