歌舞伎町活性化プロジェクト

 東京の面白さはやはり偶発性だろう。いつ、どこで、何に遭遇するか分からない面白さがあることだ。たまたま、ある決定的なところに居合わせたり、珍しいものを見たり、出会ったりすることができる。できるというよりも、そういうチャンスに遭遇する機会が多い、ということだ。

 1000万人以上が住んでいて、いろんなお店があって、それぞれが思い思いにさまざまなことを行っている。しかも、自分たちのしていることを発信しようと励んでいる。エネルギッシュでチャレンジングかつファシネーティング。田舎に比べれば、圧倒的にパワーフルだ。都会に人が集まるのは、ほとんどがこのパワーに惹かれるためではないか。

 もちろん、面白さの裏にはリスクも潜んでいる。間違えれば、奈落の底に人を引きずり込もうと大きな口を開いている魔物も棲んでいる。このリスクを取らない限り、都会の面白さも味わえない。裏表である。

 東京の中でも猥雑感にひときわあふれた新宿・歌舞伎町。この歌舞伎町のシンボルだったコマ劇場が昨年末で閉館され、中心を失った歌舞伎町。コマ劇場無き後もエンタテインメントシティーとして音楽や芸術を発信できないかと考え出されたのが歌舞伎町活性化プロジェクトらしい。

 飲み屋とパチンコ屋と風俗のメッカぐらいとしか思っていなかった。新宿に歌舞伎町が本当に必要なのかは分からない。人間の欲望を消化する役割を担っているとは思うが、これだけ露骨な形で必要なのかについては?だ。これだけ、人が集まってくるというのはこの街を必要とする人たちも確実にいるということだ。人生のある時期には出入りすることがあっても、いつまでも住み続ける街ではないのではないか。

 いつものようにスポーツクラブに立ち寄ったら、ビルのプロムナードでライブが行われていた。同プロジェクトの第2弾「収穫祭」だとか。よく分からない。歌っているのは中澤京子さん。

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