113年間で最も暑い夏

 暦は9月に突入したが、暑さはとどまることを知らない。1日は与党・民主党の代表選が告示され、届け出た菅直人首相と小沢一郎前党幹事長の2人による一騎打ちが確定。14日の投票日に向けた対決が熱を帯びてきたが、それをあざ笑うような暑い夏が続いている。

 1日の最高気温ではもっと暑い年があったが、今年の暑さはとにかく容赦なく続くこと。昼間の暑さも辛いが、とりわけひどいのは夜間の暑さだ。夜にはせめてクーラーなしで自然な安眠を得たいのは誰しもの願い。今年の夏はその期待がことごとく裏切られた。

 気象庁によると、8月31日の最低気温は午前3時すぎに記録した27.5度。夜間の最低気温が25度を下回らないことを熱帯夜と呼んでいるが、31日の熱帯夜が今年に入って48日目となり、1994年の47日を抜き、1931年に観測を開始して以来の最多記録を更新した。

 東京の中でも、いつも「最高気温」を記録するのは私の住んでいる練馬区だ。なんで練馬だけがダントツに暑いのか。そんなことを考えていたら、8月31日付の朝日新聞朝刊がその謎を解き明かす記事を載せていた。それによると、「練馬の地理的条件とヒートアイランド現象などが主な要因として考えられる」という。

 「練馬は気温が上がりやすいとされる内陸部にある。さらに、夏は午後になると東京の広範囲で南風が吹く。ヒートアイランド現象で熱を持った都心の空気が、南風によって埼玉や群馬まで運ばれる。練馬は熱気の通り道にある」らしい。

 ちなみに都内の観測スポット(気象庁が気象観測所を設けているところ)は練馬(豊玉上1丁目の武蔵大学敷地内)のほか、東京都心(千代田区大手町にある気象庁敷地内)、羽田、江戸川臨海(江戸川区)、府中、八王子、青梅、小河内(奥多摩町)の合計8カ所。島部は除く。

 これら8カ所の観測所に設置された計器が自動観測したデータを10分ごとに気象庁がまとめているという。「都内」や「練馬」は公式発表に出てくるものの、渋谷や新宿、銀座などが登場してこない理由がこれで分かった。練馬住民としては隣りの杉並や板橋も観測対象にしてほしい気分だ。
 
 関東で最高気温を記録した地点として最近名前をよく聞くのは東京・練馬、埼玉・熊谷、それに群馬・館林だ。中部地方では岐阜県多治見。名古屋に住む人が東京にやってきて、「東京は涼しい」と言っていた。どうなんだろう。暑いことで有名になるのはあんまり嬉しくないが、それでも何もないよりましか。
 
 気象庁は1日、今年の夏(6-8月)の平均気温が平年より1.64度高く、統計を開始した1898年以降で最も暑かったと発表した。113年ぶり。全国154の観測点のうち55地点で記録を更新し、特に北日本と東日本は過去最高になった。今年の暑さが過去最高記録だったことはやはり記録しておかねばならないと思った。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.