都知事選ポスター掲示場

 今日から新年度が始まった。例年なら、新入社員が街にあふれ、桜咲く季節も到来して、華やいだ空気を発散させながらスタートするのに、今年度は3.11東日本大震災の被害が余りにも大きかった上、津波による福島原発事故の状況がなかなか良くならないことへの不安もあって、街の空気は重たく沈み切ったままだ。

 朝、都営地下鉄大江戸線・築地市場駅から職場に歩く途中目に入ったのは都知事選挙ポスター掲示場(掲示板とは言わない)。3月24日に他の11道県とともに告示され、恐らくその日に作られたはずだ。隣りにこの日告示される中央区議会議員選挙の掲示場も並んでいた。

 気になったのは都知事選挙ポスター掲示場(24人分)。立候補したのは現職の石原慎太郎氏を含め10人。光が丘交番横の掲示場に貼られたポスターは6枚(候補者)、築地市場駅近くの掲示場は7枚だった(写真)。10人が立候補し、公示から1週間で半分程度しか貼られていないのなら、4月10日の投開票日までポスターが増えるとは思えない。それなのに掲示スペースは24人分。なぜ、こういう風になるのか。

 「ポスター掲示場」の設置は公職選挙法第144条の2で「1投票区につき5カ所以上10カ所以内」と定められている。実際何カ所にするかは「政令」で算定される。いろいろ決められているものの、何人分の掲示場を作らなければならないのかは東京都選挙規程を調べたが、分からなかった。

 投票日に投票所の側にあるポスターを眺めながら、誰に投票するかを最終決断するケースがこれまでは多かったので、ポスター掲示場の必要性は認めるが、それにしてもあまりにも無駄が多いように感じたのは私1人だろうか。

 掲示場の掲示板は各自治体が管理するが、この掲示板を製作する業界もあるようで、最大手は株式会社タナカ(本社・茨城県土浦市)。最近はリサイクル掲示板も登場するなど技術革新もあるようだ。どんな世界にも”業界”があるものだ。

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