米長期金利2%割れ、過去最低更新

米長期金利が2日、節目の2%を再び割り込み、終値ベースで遂に過去最低を更新した。米景気の一段の後退懸念を反映して投資マネーが株式からより安全な資産とされる米国債に流入。同日発表された8月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比で横ばいにとどまり、市場の約7万人増加予想を大きく下回ったことで景気減速懸念を強めた。

長期金利の指標である10年物米国債利回りは前日引け水準比0.14%低下の1.99%で取引を終えた。終値として初めて2%を割り込み、8月18日に付けた2.06%の過去最低水準を更新した。 日中取引では1.98%まで下げた。

米長期国債は8月5日に米格付け会社スタンダード・アンド・ピアーズ(S&P)により、初めて格下げされたばかり。本来なら、信用度の下がった米国債は売られ金利も上昇してしかるべきだが、市場では景気失速懸念のほうが強く、安全資産への買い意欲が強まり、金利は低下した。数多い強弱材料の中で市場が何を材料視するかはプロでも見極めが難しい。セオリー通りにことが運ばないのが市場の面目躍如といったところだ。

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