シェルター通貨の円
野田新内閣が前日に発足したばかり。田原総一朗氏はBS朝日の番組「激論!クロスファイア」に誰を呼ぶかと思ったら、この人だった。藤井裕久(ふじい・ひろひさ)氏。1932年生まれの79歳。大蔵省主計官を務めた財務官僚出身で、1977年(昭和52年)自民党から参議院全国区初当選以来、参議院2回、衆議院7回当選した超ベテラン議員だ。
自民党を離党後は新生党→新進党→自由党→民主党と渡り歩き、細川内閣と羽田内閣で大蔵大臣、鳩山内閣でも財務大臣を務めた。菅第2次改造内閣では内閣官房副長官、直近は首相補佐官だった。
この人は根っこからの政策マンで、権力意識をぷんぷんさせないのが個人的には好みだ。財務官僚のボスみたいな人だから、とにかく金融・通貨については詳しい。実務家で仕事師だ。政局論は知らないが、彼の経済政策論議は分かりやすく、面白い。話も具体的だ。
ただ今年2月1日の衆院予算委員会では、旧自由党幹事長時代に受け取った組織活動費15億円の使途不明問題を蒸し返され、普通に考えれば、限りなく黒なのに、うにゃむにゃにしたのは見苦しかった。小沢裁判との絡みでそのうちまた問題になることだろう。
それよりも日本経済のことだ。デフレからの脱却はいつのことになるのか。