特製ハヤシライス

昼休みに日比谷文化図書館(千代田区日比谷公園)に行く。借りていた本の返却期限が今日までだった。昼間は暖かくなると天気予報が言っていたので、久しぶりに外出する気になった。それとまだ未経験の地下1階「Library Dining Hibiya」で昼ご飯を食べたかった。地下鉄丸の内線を霞ヶ関で降り、地上に上がってくると、目の前に農水省北別館。藪伊豆の野菜そばを思い出し、浮気心が芽生えたものの、辛うじて抑え込んだ。

このレストランの中に入るのは初めて。丸善がプロデュースするレストラン。「本が読める落ち着いた大人の空間」というのがコンセプトだという。コンセプト通り、シンプルかつ静かだ。ところどころに本箱が置いてある。イチオシだという特製ハヤシライスを頼んだ。どろっとして、甘く、美味だった。

あまり気にしたことがなかったが、ハヤシライスを考案したのは丸善創業者の早矢仕有的氏だと丸善は主張している。明治3年(1870)3月に日本橋に書店を開設したが、そのときかどうかはともかく、ハヤシライスも考えたらしい。早矢仕さんが考えたカレーだから、ハヤシライス。ちょっとでき過ぎなようで、これには異論もあるようだ。元祖争いはともかく、ここのハヤシライスがうまいことだけは確かだ。

お皿の底が浅く、量的には物足りなかったが、こんなものはガツガツ食べるものではないと思い直した。ほかにハンバーグなど昔懐かしい洋食もあるようだ。スープ、サラダ付きで1100円也。コーヒーを追加したらセットドリンクで1250円。リッチな気分だった。

 

正面

 

昔はここが日比谷図書館の食堂だった。今のレストランからは想像ができないほど大衆的だった。ハヤシライスではなく、普通のカレーライスが売り物だった。確か380円くらいで安かった。ハヤシライスの値段で3皿食べられる。日比谷公園で寝泊まりしているホームレスさんもときたま来店していた。あの時代はどこに行ってしまったのだろうか。

帰りは日比谷から銀座を抜けて15分ほど歩いた。帰るころには曇天が青空に変わっていた。会社に戻ったら、額に少し汗をかいていた。昨日の寒さが丸でウソのようだ。春が来たり、また冬に戻ったり、この頃の季節は忙しい。

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