『楽園のカンヴァス』
書名:『楽園のカンヴァス』
著者:原田マハ
出版社:新潮社(2012年1月20日初版 初出「小説新潮」2010年9月号~11年6月号)
小説は基本的に読まないと決めていたのに、手元に読むものがないので、つい家人が読み終えたこの本を手を出した。ベッドに入ったときに、そのまま入眠するのはまず困難だから、どうしても睡眠導入剤が必要だ。
導入剤としては難解なものより、軽いタッチのものがよい。たまたま、手に取ったのがこれだった。「それは真っ赤な贋作か、至高の名品か?手に汗にぎる絵画鑑定ミステリー」のコピーにも誘われた。
読み始めると鑑定の場としてスイス・バーゼルが出てきた。バーゼルには3回行ったことがある。いずれも仕事だった。多少、市内観光もしたが、バーゼル市立美術館には行ったことがない。アンリ・ルソー作「詩人に霊感を与えるニューズ」が展示されていることも全く知らない。そんなことも知らずに、街を歩いていた。