BICボールペン探し

ずいぶん探しました

ずいぶん探しました(東急ハンズ新宿店)

 

BICボールペンを愛用している。いつから使い出したかはっきり覚えていないが、25歳で記者として仕事をし始めたときからだから、もう40年近くになる。会社で支給されたものをそのまま使っていた。

書けなくなったら新しいものをもらって使ったときもあったし、経費削減のため、替え芯を指示された時期もあった。新しいボールペンに心が移ったこともあったり、いろんなところから新型や記念品のボールペンをもらったりしたものの、すぐに使い慣れたものに戻った。

すぐ使えるようにいつも胸ポケットに差していると、たまに油性インクがこぼれてポケットを汚すこともあった。そういうときは別のものに切り替えようと思うのだが、どういうわけか思い切ることができず、すぎにこのBICボールペンに戻ってしまう。不思議だ。

使い始めたころはこんなに滑らかなボールペンはないと思った。確か「速記用」と銘打たれたときがあったように思う。速記者が使うボールペンだから、これに勝るものはないと思った。そう思い込んでいつのまに、他の製品を頭から排除してきた。恐らく、もっと書きやすい、滑らかなボールペンはあるはずだ。

普通に書くときは青、本に書き込みをいれたり文章を校正するときは赤、人の言葉を書き付けるときは黒。3色を一応使い分けている。青が一番多く使い、次いで赤、最後が黒の順だ。今は1本で3色使えるペンも多いし、そちらのほうが便利だが、3本のペンを使っている。いちいちサックを付けたり、外したり面倒でもあるが、むしろ付けたり、外したりする時間を使って頭を休ませている。

惚れたら、理屈はどうでも良くなっている。惚れるというのは理屈ではないのだろう。時には「浮気」をしても良さそうなのに、どういうわけか操を守っている。深い意味はなく、面倒臭いだけなのだが、操を守ることが気持ち良いのだ。効率性や利便性を超越したものがある。

それだけ愛用してきたBICボールペンだが、ここ10年ほど見つけるのは苦労している。あれだけ多種多彩のボールペンが店頭に並んでいるのに、BICはなかなか見つからないのだ。昨日は昔買った京王デパート6階の文具用品売り場に行ったが、結局置いてなかった。今日は東急ハンズ新宿店8階の売り場でさんざん探した。

あきらめかけたが、最後に店員氏に聞いたら、別の売り場に案内され、何とか手に入れた。「キャンペーン中なので・・・」ということだったが、キャンペーンしているのなら、もっと目に付くところに置かれて然るべきなのに、逆にフロアの隅っこだった。良く分からない。

最近は道を歩いていて文房具店の前を通りかかると、急いでいない限り、中をのぞいてみることにしている。あれば、何本かまとめ買いしている。ストックがないと不安だ。最近はいつ、生産中止になるか分からない時勢だ。

ということで、何とか探していたBICボールペンを手に入れた。ずいぶん時間を使ったが、欲しい物が手に入って、気分も安らかになった。たかがボールペン、されどボールペンである。

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