「日本は世界に教訓を発することができるか」

会見する泉田新潟県知事

会見する泉田新潟県知事

 

テーマ:「原子力発電所の安全対策における懸念について」
会見者:泉田新潟県知事
2013年8月28日@日本記者クラブ

泉田裕彦新潟県知事の会見を初めて聞いた。京大法学部卒、元通産省・経済産業官僚。資源エネルギー庁石油部精製課統括班長、本省秘書課課長補佐、国土交通省出向、岐阜県出向。41歳で退官しており、官僚としてのキャリアは短い。

この日は日本外国特派員協会と日本記者クラブと会見のはしごだったことは後で知った。実に理路整然と論理立てて話をする人だと思った。それと働き盛りの50歳。2004年10月初当選後、08年と12年に再選され、現在3期目。

泉田知事については「変な人」という形の人格攻撃が行われているようだ。しばらく前に同様なバッシングを受けたという元経産官僚の古賀茂明氏によると、「経産省や規制庁の役人が『泉田知事は昔から変人で有名だった』という悪口を流布しているのだ」(週刊現代2013年7月27日・8月3日号)という。

古賀氏は泉田知事について、「私は、経産省時代に泉田知事と一緒に仕事をしたからわかるが、これはとんでもないデマだ」と知事を弁護している。

正直言って、私も泉田知事が「変な人」だとの印象を少し抱いている。そう感じたのは広瀬直己東電社長との公開会見の席で、公開リンチ的な対応を取ったことだ。知事の主張はもっともだし、正論だと思うが、既に社会的に袋だたきに遭っている人物をさらし者的にリンチするのは行き過ぎだと個人的に思うからだ。

泉田知事は日本記者クラブでの会見で、東電が柏崎刈羽原発で進めている安全対策を厳しく批判し、「東電を破綻処理するのも選択肢の一つ」と述べた。

泉田知事の東電批判は中越沖地震(2007年7月16日、M6.8、震度6強)での東電の事故対応の不備に遠因があるようだ。地震の影響で緊急対策室の扉が開かず、通報連絡等の初動対応に支障をきたしたことや埋設配管破断で初期消火活動が十分行えなかったことを根拠にしている。

 

 

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