「浪江町は3.11当時のまま」
テーマ:「福島県双葉郡8町村のいま」 首長連続記者会見①
会見者:馬場有(ばばたもつ)浪江町長
2013年11月5日@日本記者クラブ
「今日は3.11から971日目です。2年7カ月たった。しかし、浪江町は3.11そのまま。時計の針が完全に止まった状況です」と馬場有浪江町長は語った。
その口調には憤りと無念さ、悔しさがあふれていた。2年7カ月もたつのに、なぜこんな状況が続いているのか、と。600棟が流され、道路脇にはがれきが残り、倒壊した家は放置されたまま。なぜ撤去されないのか。「それは放射性物質の除染が遅れているため」(馬場町長)だという。
政府(環境省)は原発周辺11市町村を「除染特別地域」に指定し、国が直轄で除染作業を行っている。本格的な除染作業は4市町村でしか行われていない。
除染が全然進まないのは、除染作業で出た放射性廃棄物を保管する仮置き場が設置できないことと、それを一定期間保管する中間貯蔵施設の建設予定地が決まらないためだ。「除染が進まないと、何も進まない」(馬場町長)状況が続いている。