鳥居観音
当初の目的地はここだった。東京から近場で、紅葉の名所をネットで探したらヒットした。何のことやら分からなかったが、「玄奘三蔵塔周辺の紅葉風景は北野武監督の映画『Dolls』(2002年)の撮影にも使われた」とあるので、それなりの名所と考えた。
それにしても不思議なところだ。観音像が建立されていること自体は関東3大観音(高崎観音、大船観音、韮崎観音)があるように珍しくないが、西遊記で有名な玄奘三蔵法師の霊骨を祀った玄奘三蔵塔、さらには平和観音まで勢揃いしているのには驚いた。
もみじまつりは1週間前に終わっており、人出もそんなでもなかった。ゆっくり見られた。土地に生まれた平沼彌太郎氏が家業の林業、名栗村長、埼玉銀行頭取、参議院議員などを務めるうちに、観音信仰の厚かった母親の遺志を引き継ぎ、1940年(昭和15)に、小さなほこら(現在の恩重堂)を建て、自分の彫った聖観音菩薩を安置したのが始まりだとか。
それがいつの間にか、白雲山と名付けた全山が観音信仰の領域になった。東京ドーム6.5個分の広さだという。入り口の本堂から歩けば玄奘三蔵塔まで約35分。秩父御嶽神社で体力を使い果たしたので、ここでは玄奘三蔵塔まで車道を10分で上がった。
結局、本堂は見ないまま帰途に着いた。救世大観音(高さ33m)は展望台まで上がることができたが、それもパスした。もみじをたっぷり見物させてもらった。
快晴。気温も春のように温暖で、最高の紅葉見物日和だった。