運転免許証「不携帯」

再交付を待つ

再交付を待つ(江東運転免許試験場)

 

田舎で財布を紛失した。運転免許証や保険証、クレジットカード数枚、銀行カード数枚、図書館の利用カード、各種会員証、病院の診察カードなど重要なものが全部入っていた。おまけに現金も5万円ほど入れていた。

警察に届ける一方、カード会社や銀行にはすぐカード利用停止手続きをとった。困ったのは運転免許証。地元警察によると、交付された都道府県の公安委員会でしか再発行できないという。

私の場合、東京都で発行されているから、いったん電車で東京に戻って再発行してもらってから、もう一度電車で兵庫県まで戻った上、再度車で東京に帰るしかないという。困った。

法律上の理屈は分かるが、実際そうするのは現実的ではない。時間もお金もかかる。どうするのがいいのか真剣に考えた。しかし、いくら頭で考えても知恵が浮かばなかった。困ったときのネット検索。ネット上に「解答」があると思うのは問題だが、解答の手掛かりがないかと探した。

そこで得たヒントは「免許証不携帯」で運転すること。不携帯は「交通違反の1つで、免許を受けた者が、運転免許証を携帯せずに車両などを運転すること。違反者は免許点数の減点や反則金などの行政処分を受ける。道路交通法第95条に規定されている」(weblio辞書)。

不携帯ではあるものの、紛失しただけで免許証を取得していることは警察が調べればすぐ分かる。だから、「無免許」ではなく、あくまで「不携帯」。ネット情報によると、検問で引っかかった場合、「反則金3000円(普通車)を取られるものの、気を付けて帰るように注意される」ケースがほとんどだという。

しかし、私の場合、兵庫県から東京まで約650km。どの地点で捕まるか分からないが、途中だった場合、距離があり過ぎて、警察も「気を付けて帰りなさい」とはなかなか言いにくいはずだ。途中から電車で帰るのも大変だ。

よって、一般道を避けて、高速道路だけで帰った。高速道路で検問を受けたことはない。安全運転、慎重運転に徹した。どこにも立ち寄らなかった。真っ直ぐ、ひたすら自宅を目指した。

午前11時に実家を出発し、自宅に着いたのは午後9時55分だった。約11時間かかった。途中で検問に遭わなかった。「不携帯」は現行犯。褒められたことではないが、無免許ではないと自分に言い聞かせた。

東京都の場合、免許証は運転免許試験場でしか再交付してもらえない。東陽町の江東運転試験場に行った。手続きは簡単だったが、交付されるまで1時間以上かかった。大変だったが、「再交付」してもらえるだけましだ。命にかかわることならば、「再交付」はできない。善し、とすべきだろう。

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