消えゆく「たばこ店」
最近は自転車通勤しているので、歩きだとかなりの確率でキャッチできる情報も逃すことが多い。たまたま、この日は情報発信源が信号の前だったので気づいた。おにぎりを買うことが多い小島米店の隣の店でもあった。
お店の前に自動販売機を2台置き、店に入るのが辛そうな構造にいつも違和感を覚えていた。店の中に入って買う人があるのだろうか。なぜ店の中に入ってくるのを拒否するような構造にしているのか。テロ対策だろうか、などとつい本気に考えてしまった。
店主に聞いたわけではないので分からないが、想像するに、タバコを買うと言っても、今や自販機で用が済む時代。自販機があるのに、あえて店の中に入って買うなんて、まだろっこしい買い方をする客はもういないということを見通したためか。
何度か、店主の姿を見掛けたことがある。高齢の女性だった。1階に米屋、たばこ屋、床屋の3店舗が入る2階建てアパートの右隅。タバコをやめて30年以上経つので、自販機で買ったことも中に入って買ったこともない。
米屋さえ、専門店は少なくなった。ましてタバコ専門店を見掛けることはまずない。今の家に引っ越してきて20年。ずっとこの店はあったように思う。タバコ屋にとっては商売しにくい時代になってしまった。「引退」する潮時と考えたのだろう。