『岩の下にも3年』

 

『講演と映画のつどい』の案内ポスター

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プロフリークライマー、尾川とも子(おがわ・ともこ)氏の講演を聴いた。タイトルは「前向きの考えで壁にチャレンジ~岩の下にも3年~」。練馬区教育委員会主催の人権週間行事だ。

女性として世界で初めて最高難易度の岩を登り切ったプロフリークライマー。難しい岩にも何度もチャレンジし、時には3年かけて登りきることもある。志を持つこと、夢を追い続けることの大切さを語った。

練馬区生涯学習センターのホールに集まった聴衆は100人ほど。「青少年のための」つどいだったので、前期高齢者としては気が引けたが、好奇心が優った。中学生が20人ほど来ていた。

■ボルダリング

命綱を使わずに3~7mのボルダー(boulder・岩の塊、巨岩)を登る。高さ7mは学校だと校舎の3階。

競技について

制限時間内に登れた高さで順位が決まる。時間内は何度落ちてもよいが、落ちるたびに減点となる。

■岩について

現在世界にはV0~16までレベルがある。岩の凹みや突起の小ささや持ちにくさ、凹みと凹みの遠さ、岩の傾斜などでレベルが決まってくる。V16の岩は世界でわずか数個しか登られていない。

正直、こんなスポーツがあることを知らなかった。尾川氏にとって一番重要なのは「指」。指で岩の突起や凹みを探しながら登るから、「指」に全神経を集中する。力も「指」に集めるので、鍛えられる。「フィンガークライミング」ともいう。だから、特技は「1本指懸垂」。

【メッセージ】

■「あきらめなければ夢は叶う

自分はずっと落ちこぼれのクライマーだった。しかし、あきらめなかった。それだから夢を実現できた。最初に宇宙飛行士になりたいと思ったとき、講演に来た、実際に夢を叶えたアメリカ人の女性宇宙飛行士に「私も宇宙飛行士になるのが夢です。どうしたら、宇宙飛行士になれますか」と質問した。「しっかり勉強して大学に行って、頑張って」と言われると思っていたら、違った。

「あなたが大人になるまで『宇宙飛行士になりたい』という思いをずっと持ち続けていたら、必ずなれます」。心の中に「宇宙飛行士になるんだ」という思いを持ち続けることは実は大変なこと。しかし、持ち続けることで実現できる。

生まれてからほとんどの人がずっと続けていることが「歯を磨くこと」。たいていの人は歯磨きを続けている。これと同じ。一気に成し遂げようとするのではなく、ちょっとづつ、ちょっとづつ、歯磨きくらいのレベルに落とし込んで続ける。これなら、続けることができるかもしれない。

■「姿勢が一番大事

スポーツでも何でも姿勢が悪いと一流選手にはなれない。勉強でもそう。勉強できる生徒は姿勢が良い。大人もそう。講演などで学校を回っているうちに気付いた。何らかの形で正しい姿勢をすることに気を付けてほしい。姿勢を見直してください。姿勢を悪くしないことをあきらめないでください。

 

尾川智子オフィシャルブログ

それにしても、なぜ「オフィシャル」が必要なのだろう?

 

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