東京クリスマスマーケット2015
日本記者クラブの会見が終わってから、対面の日比谷図書文化館(千代田区立)に歩いていくと、公園の一角が光輝いていた。何かイベントでもやっているのだろうか。
それなら、確認しなければ気が済まない質だ。何か面白いものがあるのかしれない。ないかもしれない。
何か楽しそうなことをやっていることだけは分かったが、何だろう?全体像をつかめないと、落ち着かない質でもある。それでウロウロしていたら、このアーチを見つけた。「東京クリスマスマーケット2015」だった。
アメリカやイギリスのクリスマスは既に日本でもお馴染みになっているが、今年初めて日本の日比谷公園に降臨したのはドイツのクリスマスマーケット。「街の中心に装飾された屋台が軒を連ねる。人々はそこで買い物をしたり、グリューワイン(温めた赤ワインに、シナモンやローリエなどの香辛料と、オレンジ、レモンといった柑橘類を入れて飲むドリンク)で乾杯したり、イベントを見たりして過ごす。また、小さな遊園地やスケート場が併設されるなど、子どもから大人まで楽しめるような工夫もされている」(公式ガイドブック)という。
ガイドブックによると、記録に残っている最古のものは、フランクフルト・アム・マインのクリスマスマーケット。今日のような形になったのは19世紀頃だという。ドイツでは、大都市だけでも2500以上のクリスマスマーケットが開催されている。
最も有名なのは、ニュルンベルクの「クリストキンドレスマルクト」。毎年200万人を超える人が訪れるという。昔、ロマンチック街道や古城街道をマイカーを走らせたことを思い出した。クリスマスオーナメントを買ったことや今も城壁に囲まれている旧市街を散歩した。しかし、それがニュルンベルクだったのか、それとも同じような雰囲気を持つ「ローテンブルク」だったのか分からない。多分、ローテンブルクだったと思う。
最大のものはシュトゥットガルト。ドレスデンのクリスマスマーケットには、ギネスにも認定されたクリスマスピラミッドが立つ。約2000人の村のため小規模だが、根強い人気を誇るのはチェコとの国境に接するエルツ地方のザイフェン村のマーケット。クリスマス時期は観光客でごった返すとか。都市によって特徴はいろいろのようだ。
帝国ホテルや東京宝塚劇場、さらには工事中のクレーンなどを背景に開かれたマーケット。「都会生活を続けるうちに、自然のぬくもりを忘れがちになっているのでは?また、人と人のコミュニケーションが希薄になっているように感じます。木のぬくもり、光のぬくもり、そして家族のぬくもりをあらためて感じていただき、ぬくもりのある地域の交流、そして日本と海外とのあたたかい交流を実現したいと願い、日比谷公園にて『東京クリスマスマーケット』を初開催いたします」(主催の実行委員会)
これは東京マーケットのためにエルツ地方の職人の手により特別に造られたクリスマスピラミッド。この規模のものは日本初上陸だという。ランドマーク的存在だ。
ピラミッドは6段。各段には木工の人形が配置され、それに沿った物語が展開されているという。