「エルネオス会2016」

 

見事に黒装束集団だった

見事に黒装束集団だった(壇上は元外交官の東郷和彦氏)

 

寄稿しているビジネス情報誌『エルネオス』の新年懇親会に出席した。2年ぶり2回目。参加者は寄稿しているジャーナリストと同誌に広告を出稿している企業の広報担当者など。90人強が集まった。

会場は一橋大学関係者の夜のクラブとも言える如水会館(千代田区一ツ橋2)。東京會舘が運営している。2階と3階に4つずつパーティールームがある。1階にフランスレストラン、3階に日本料理の店が入っている。

 

認知症対策と寝た切り防止のために「自転車を」と話す都市交通評論家の亘理章氏

認知症対策と寝た切り防止のために「自転車を」と話す亘理章氏

 

いろんな人がいろんなことを研究・調査したり、それを仕事にしている。そんな人と出会えるパーティーは面白い。会場に来るまでは存在すら知らなかった人と、たまたまその場で話をできる。

もちろん、参加者すべてと話をできるわけではない。たまたまタイミングが合った人と話をする程度だが、それでも、どんな人かも知らなかった人とちょっとだけでも話をすると新しい発見や気づきがある。

会場で1人の人を見つけて、なるべくこちらから話し掛けるようにしているが、名札がよく見えない場合もあるので、話し掛けるきっかけがなかなか難しい。ちょっとしたコツもいる。しかし、話し掛けられて迷惑がる人はまずいない。そんな人は大体パーティーに出てこないからだ。

便利なのは壇上でスピーチした人。どんなことをしているのか分かっているので、一言二言話し掛けたいことがあれば、近寄っていけばいい。最低でも名刺交換ぐらいはできる。

お開きのために壇上に上がったのが都市交通評論家の亘理章氏。トヨタ自動車の調査部に長くいて、自動車メーカーの視点から都市交通を研究してきたという。名刺には早稲田大学電子政府・自治体研究所客員研究員、NPO法人自転車活用推進研究会理事とあった。

検索してたまたま見つけたのは『自転車・バイク・自動車駐車場 パーキングプレス』発行人・森井博氏との対談(2013年5月号)。普段気が付かなかった点が指摘されていて興味深かった。

・ヨーロッパで行われた社会実験で象徴的な例は、”歩車分離政策”。ヨーロッパもかつて日本と同じように、モータリゼーションが普及し、大気汚染や交通事故などが深刻化していた。そこで、歩行者と車の空間を完全に分けてしまった。しかし、自動車の侵入・運行を制限した結果、失敗。1990年代後半から2000年代初めにかけて”歩車分離”から”歩車共存”に舵を切った。

・”歩車共存”とは道路を自動車、自転車、公共交通、歩行者などでシェアすること。そのために①歩行者②自転車③バス、LRTなどの公共交通④自動車―の優先順位を付けた。一般的に人が移動する時には幅0.75m、自転車は幅1mが必要。道路再配分の際に、人と自転車のスペースを先に確保した。

・日本はヨーロッパの考え方と真逆で、住宅街に幅員5mの生活道路があった場合、まず中央に4mの車道をボーンと確保してしまう。そして両脇を0.5mずつ取って、それを路側帯にする。同じ”歩車共存”と言っても、優先順位が逆転すれば、交通弱者である歩行者、自転車にとっては危険な状態が生まれる。

・市民重視の施策というのは、何歳になっても元気に歩いて移動できるような環境を整える施策であり、つまりは社会福祉政策。その一環として交通政策がある。歩けなかったとしても何らかの移動手段で普段の場所から違う環境に身を移せば、人間の脳は刺激を受け、活性化するようにできている。環境が変わり、頭に入る情報が変わることで人間は元気になれる。多くの乳幼児は乗り物にあこがれや興味を示すが、あれは人間のDNAに”動くことで能が活性化する、能力が拡張する”とすり込まれているからではないか。

さらに検索していくと、欲しかった情報を見つけた。「自転車サイズのまちづくり報告書2010」(茅ヶ崎市商店会連合会サイクルライフ研究委員会)の小林成基氏(自転車活用推進研究会理事長)による「まちが得する自転車活用」

・自転車は太ももと腸腰筋、立ち上がる時に使う筋肉が鍛えられる。腸腰筋は20歳がピークで下がっていく。お年寄りが猫背になるのは腸腰筋が弱るせい。年齢にかかわりなく、足を高く上げて動かすことが重要。特に女性は健康と美容にいい。寝たきりにならない、立ち上がれる筋肉を作る。

・血管年齢を若く保つ。歩くと血流は2.5倍になる。自転車を軽くこぐと10倍になる。ちょっとした山坂を走ると20倍になる。

・サドルが低すぎると腰を痛め、足が太くなる。前から乗って前から降りる。これが自転車の乗り方です。

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