試写会『最高の花婿』
作品名:『最高の花婿』(2014年フランス映画)
監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
2016年2月1日@日本記者クラブ
2016年3月恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー
「フランスのロワール地方に暮らすヴェルヌイユ夫妻には、他人には相談できない悩みがあった。3人の娘たちが次々とアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚。さまざまな宗教儀式から食事のルールまで、異文化への驚きと気遣いに疲れ果てていた。そんな時、最後の希望だった末娘が、カトリック教徒の男性と婚約!しかし、大喜びの夫妻の前に現れたのはコートジボワール出身の黒人青年だった。しかも、フランス嫌いの彼の父親が大反対。果たして、色とりどりの家族に愛と平和は訪れるのか――?」
国際結婚は今や珍しくないとは言え、これほど多彩だと目がくらむ。毎日が異文化バトルの戦場に過ごすようなもので、何とも気が重たい。どうやらフランスの異人種間結婚は世界1位だという。
見てるほうが面白くて笑ってしまうが、こうした花婿を持った夫妻は大変だ。それでもパリでテロ事件が起きる前で作られた作品だから、まだしも微笑ましさに包まれて寛容な気分で見ておれるが、事件後は国際社会の空気ががらっと変わったのではないか。こんなに笑って見ておれるだろうか。へたしたら顔を引きつってくることだって考えられなくない。とにかく難しいことになった。
ショーヴロン監督は上映前にあいさつで、「続編の製作を考えているが、テロが発生してからは、国際関係が一段と難しくなったことは確か。どういう風に描いたらいいのか悩んでいる」と述べていた。難しい時代になったものだ。