誰でも「下流老人」に転落する

 

「誰でもすぐにでも下流老人になる」と話す藤田孝典氏

「誰でもすぐにでも下流老人にな」と話す藤田孝典氏

 

ゲスト:藤田孝典氏(聖学院大学客員准教授、NPO法人ほっとプラス代表理事)
テーマ:現代日本の貧困
2016年2月9日@日本記者クラブ

 

今や流行語になった『下流老人』(朝日新聞出版)の著者だ。社会福祉士として年間500人のホームレスらから相談を受けながら見えてきた現場の実態をまとめたものだという。

■日本の貧困の現状

・日本の貧困率は高い。貧困層は確実に広がっている。最も一般的な相対的貧困率(2011年調査)は16.1%で経済協力機構(OECD)加盟34カ国中6番目に高い。相対的貧困率は一定基準(貧困線)を下回る等価可処分所得しか得ていない人の割合。

・所得(2011)にすると、1人世帯125万円、2人世帯170万円、3人世帯210万人、4人245万円未満が貧困ライン

・高齢者(65歳以上)の貧困率は22.0%⇒高齢者の4~5人に1人は貧困

・単身高齢男性は38.3%、単身高齢女性は52.3%が貧困⇒高齢者は誰もが貧困に陥る可能性

■「下流老人」

・下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」

・さいたま市の場合、12万7000円程度(単身高齢者で、生活保護+住宅扶助の合計額)

・現在、下流老人は700万人いると類推され、今後も増える傾向

・下流老人は家族や友人がおらず、日中は何もせずに、年中部屋に引きこもったままテレビを見て過ごしている

・下流老人は収入が少なく、インスタントラーメンや卵かけご飯で飢えをしのぐなど、3食まともに取れない

・家賃が払えず、ネットカフェ、近所の公園などで漂流生活をしている

・病気があるにもかかわらず、医療費が払えないため、通院や入院治療を拒否し、痛みに苦しみながら自宅療養をしている

・下流老人の特徴は①収入が少ない②十分な貯蓄がない③頼れる人がいない―のないがある

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.