熊本地震
友の死は悲しい。ただ、悲しみにずっと浸らせてくれないのが今の時代だ。次から次へと変事が起きる。生活もしなければならない。仕事もある。生きているってことはそういうことだ。死者はそれらから解放されるが、行きている者は、大事や小事や雑事に係わっていかなければならない。
この日、帰宅したのは珍しく遅く21時40分ごろ。テレビが地震を速報していた。発生したのは14日21時26分ごろ。震源地は熊本県熊本地方。マグニチュード6.5(最初は6.4)、最大震度は益城(ましき)町の7だった。
これを書いている16日午前8時の時点では死者9人、建物の倒壊などによるけが人は1000人超に上っている。うち重傷者は53人。気象庁は15日、今回の地震を「平成28年熊本地震」と命名した。
とにかく余震が頻発している。以下は日本気象協会の過去の地震情報リスト(16日朝時点)。
発生時刻 震源地 マグニチュード 最大震度
4月14日21時26分頃 熊本県熊本地方 M6.5 7
22時6分頃 ――― ――― 6-
22時7分頃 熊本地方 M5.7 6-
22時38分頃 熊本地方 M5.0 5-
15日0時3分頃 熊本地方 M6.4 6+
1時53分頃 熊本地方 M4.8 5-
16日1時25分頃 熊本地方 M7.3 6+
1時44分頃 熊本地方 ――― 6-
3時3分頃 阿蘇地方 M5.8 5+
3時55分頃 阿蘇地方 M5.8 6+
震度4以下の余震は数え切れない。大地が揺らぐのは自分の存在が揺らぐのも同然だ。先週末8日に「南海トラフ地震」の話を名古屋大学の山岡耕春教授から聞いたばかりだ。
日本列島は変動帯。その変動帯が隆起して陸地を形成し、陸地の成長に伴って地震・火山・土砂移動による災害が発生している。われわれはそういう日本列島に住んでいる。巨大地震が起きるのは宿命。