剣豪将軍「義輝」

 

剣豪将軍“義輝”上下2巻

 

書名:剣豪将軍 義輝(上)(下)1995年
著者:宮本昌孝
出版社:徳間書店

足利義輝(あしかが・よしてる、1536~1565)は室町幕府13代将軍。12代義晴の長男。母は近衛尚通の娘。幼名は菊幢丸。初名は義藤。1546年に将軍となるが、三好長慶(みよし・ながよし)など諸将対立のあおりを受け、1553年から5年間近江・朽木谷(くつきだに)に逃れる。六角義賢の仲介で帰洛して以降、交戦中の戦国大名間に和議を勧めるなど将軍権威の回復に努めた。永禄8年(1565)没。30歳。

安土桃山時代から江戸時代にかけては織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などきら星のごとく諸将が林立した。日本に武家時代が現れるのは鎌倉幕府だが、その後は足利尊氏の室町幕府の時代(1336~1573)が240年ほど続いた。

足利尊氏が1336年に京都・室町に幕府を開き、15代義昭が織田信長に放逐される1573年までの間を指す。結構長かったが、義輝は終わり近くの13代将軍であり、上泉信綱や塚原卜伝から剣を学んだ剣豪将軍として知られる。どこまで本当なのかはよく分からない。

それをさも本当のように描いたのがこの作品だ。宮本昌孝の出世作で、この作品が彼を有名にしたと言っても過言ではない。

信長や秀吉も登場するが、それより少し前の三好長慶の時代を描いた。長慶の死後、松永久秀の悪逆非道ぶりも描き切った。言葉が大げさで、リアリティーを欠くものの、面白さを優先した物語展開にうなった。

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