テスラEV車、電池確保が鍵

 

テスラモデルS(7日、大田区産業プラザ前で)

 

第10回大田区加工技術展示商談会が7月7日(金)、大田区産業プラザで開催された。特別講演が楽しみで、今年も出掛けた。「世界が注目する21世紀の自動車企業、テスラの最新情報」と題し、広報・渉外担当の土肥亜都子氏が講演した。

 

東京ビッグサイトで(6日午後)

 

テスラ イーロン・マスク氏が2003年で創業したEVメーカー。本社はカリフォルニア州パロアルト。
テスラ 2010年日本進出
テスラ 2016年の販売台数は7万台余り。株式市場の評価は高く、17年4月に時価総額で米フォードやGMを抜いて話題になった。石油を一切使わないロードスター(スポーツカー)、モデル3(セダン)、モデルX(SUV)をラインアップし、17年7月からは暮れにはモデル3を発売する予定。

これまでの自動車メーカーとは異なった「有限資源の石油に依存しない経済社会の先兵として電気自動車を推進する」ことを掲げている。太陽光を発電し、それを蓄電し、配電すること、移動。事業戦略が異なっている。

「モデルS」は優れた航続距離と加速性能を備えた高性能車だが、「モデル3」はお求めやすさを実現した車。土肥氏は「電気自動車の課題はまだまだ価格と理解している」と述べ、3万5000ドル程度を想定した。為替レートは輸送コストを加算すると約400万円程度となりそう。

また、モデル3は全長4694mm、幅2200mmと私が現在乗っているオーリス(HV1800cc)に比べると、全長こそ36センチ長く、幅は44センチも長い。要はアメリカ型の大型車なのだ。1台ぽつんと置かれていても分からないが、結構大きい。航続距離は345km以上。5人乗り。重さは2.6トンとオーリスの1・675トンより1トンも重い。立体駐車場には入らない。

先行予約が約40万台もあるのは米国に限っているのではないか。カタログを見ただけで注文するような買い方をするのは米国人くらいだ。いろんな点を試して試して、それでもやっとお金を握りしめて買うのが日本人だ。

インターネットの時代とはいえ、米国の同国を世界の動向と一緒に考えるのはどう考えても無理がある。

株式市場がテスラを過大評価している。その戦略に乗ってイーロン・マスクCEOが売りまくっている。売りまくるのは日本ではなくて世界でだ。

価格低減の生命線を握っているのがネバダ州の蓄電池工場ギガファクトリー。リチウムイオンバッテリーセル。蓄電池の調達は、EV生産拡大の最大のリスクとされる。米ネバダ州のギガファクトリーはパナソニックと共同で経営している。

競合するドイツ・アウディやドイツ・ポルシェなどのEV投入計画が次々に具体化し、競争激化に注目が集まっている。5日にはボルボが2019年までに全車種をEVかハイブリッド車にすると発表。ドイツ・BMWがモデル3に似たサイズのEVを投入するとの報道も出ている。

テスラは、今年4~6月期の出荷台数が前の四半期に比べ12%減少したのに続き、米道路安全保険協会(IIHS)の衝突試験で主力セダン「モデルS」が最高評価を得られなかったことや競合メーカーが相次ぐEV強化に動くことなども追い打ちを掛け、テスラへの過剰な成長期待に影が差している。

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.