『家(うち)へ帰ろう』

 

 

作品名:家(うち)へ帰ろう(原題:THE LAST SUIT)
監督・脚本:パブロ・ソラルス
キャスト:ミゲル・アンヘラ・ソラ(ブルスティン・アブラハム役)
アンヘラ・モリーナ(女主人ゴンザレス役)
オルガ・ボラズ(看護師ゴーシャ役)
ユリア・ベアホルト(文化人類学者イングリッド役)
マルティン・ピロポンスキー(機内の青年レオナルド役)
2017年アルゼンチン・スペイン作品
2019年7月12日@飯田橋ギンレイホール

「アルゼンチン・ブエノスアイレスに住む88歳のユダヤ人仕立て屋アブラハムは、子どもたちや孫に囲まれ、家族全員の集合写真を撮っても浮かない顔をしていた。

というのも、翌朝には娘たちの手はずで住み慣れた仕立て屋兼自宅を引き払い、老人施設に入ることになっていたのだ。

娘や孫たちを強引に家に帰した後に、1着だけ残ったスーツを見てアブラハムはあることを決意する。それは故郷ポーランドに住む70年以上会っていない親友に自身で最後に仕立てたスーツを届けに行くことだった。

すっかり身支度を終えたアブラハムはその日の深夜、家の鍵を玄関脇の植え込みに投げ捨てて家を出て行く。タクシーを拾い級友の孫娘に航空券のチケットを手配し、その足で空港に出向き、スペイン・マドリッド行きの飛行機に乗り込む。

マドリッドの入国審査で足止めをされたアブラハムは、入国審査官に旅の目的を正直に話すが、審査官は「約束を70年待っているなんて」と信じようとしない。しかしアブラハムの真剣な様子に心が動かされてしまう。

マドリッドの1つ星ホテルの女主人、パリからドイツを通らずポーランドへ列車で訪れることができないかとパリ東駅で四苦八苦していたアブラハムを助けるドイツ人の文化人類学者、ワルシャワでアブラハムに親身になって世話をする看護師、旅の途中で出会う女性たちは、アブラハムの力になろうと自然体で受け入れ、話を聞き、尖った心を柔らかにしていく。

故郷ポーランドに住む親友は、ユダヤ人であるアブラハムが第2次大戦中、ナチスドイツによるホロコーストから逃れたアブラハムを助け、匿ってくれた命の恩人であった。70年前の記憶にさいなまれながら、やっとたどり着いた場所は、70年前と同じ佇まいをしていた。

アブラハムは、親友と再会できるのか・・・。人生最後の旅に奇跡は訪れるのか・・・。」(パンフレット・ストーリー)

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