高齢者に必要な『70歳のたしなみ』とサムマネー

 

東京駅丸の内

 

恵比寿ガーデンプレイス

 

特集「孤独のすすめ」のタイトルが気になって月刊「文藝春秋」2018年12月号を買ったのはちょうど1年前。1ページも読まないまま本棚の片隅に眠っていた。

そこにあることも忘れていたが、どういうわけかきょう気づいて手を伸ばし、ページを繰った。あっという間に365日は過ぎ去り、もう今年もニューイヤーズイブである。大晦日だ。

今日は気持ちが悪いくらいの好天が続いている。関東地方は晴れて、朝から気温がグングン上がった。日本気象協会によると、「午後2時までの最高気温は東京都心16.5度、横浜20.3度、さいたま16.4度と、大晦日とは思えないような暖かさ」だという。

ただ、予報通り、各地で北寄りの風が強まり、窓際の枯れ葉が大きく揺れ出した。日が落ちると気温も急激に落ち込むことだろう。

今日は何をしたのだろう。年賀状をようやく書き上げた。印刷し終えた。元旦には着かないだろう。今年の元旦は寒中見舞いを出した。もっと早く着手すればいいのだが、いつもこの時期になってしまう。なかなか手を付けられないのは悪いクセだ。

70代には「キョウイク」と「キョウヨウ」が絶対必要だ。エルネオス2020年1月号の「元木昌彦のメディアを考える旅」を読んでいたら、ゲストの坂東真理子氏(昭和女子大学理事長・総長)がそう言っていた。

「70代になると、『頼まれれば行ってもいいや』とか、『時間があれば行くよ。でもわざわざ行くほどのことはないよね』ってなことが増えるんです。だから『今日、用事がある』と『今日、行くところがある』が大事なんです。人が与えてくれるのではなくて、自分で用(事)を作って、進んで自分が行く。これが一番のポイントです」(坂東真理子氏)

坂東氏は現在73歳。『女性の品格』(PHP新書、2006年)に続いて『70歳のたしなみ』(小学館)を書いた。「70代というのは人生の黄金期、最も幸福な時である」という。「70歳になったらもう、断捨離だとか、終活、晩年、遺言、そう思ってしまう同級生や同じ年代の人が多いです。それって間違っているんじゃないの、と思って書きました」。

この年になったら、着ているものや身の回りに気を配らなくなるものだが、坂東氏は「自分を見捨てないこと」を指摘する。「男の方でも新しいネクタイとか、新しいジャケットを買うと心が浮き立つんじゃないですか」

チャップリンの『ライムライト』で、人生に必要なものは勇気と想像力、そして少しのお金だという名言がある。「ちょっとしたものを奥さんや女性の友だちにプレゼントしてあげようとかね。だから自分で使えるお金を持っているというのは、高齢者にとっては特に大事だと思います。マッチマネーじゃなくてサムマネー」(坂東氏)

 

 

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