【散歩】実に30年ぶりくらいに食べたネパール風カレー料理=「サグーン」でナンの上に乗せて=中村橋コース
定年になって[毎日が日曜日]だが、それでも何とか予定があった。予定が必要だった。それがいつの間にかなくなった。例の新型コロナウイルス感染拡大を恐れた外出抑制によるものだ。計画を立てたくても立てられなくなった。
地方や遠隔地の観光地はどこも観光客の受け入れを拒否している。神奈川県江ノ島では県外ナンバーの車で渋滞が起き、遂に「県外車、お断り」の実力行使に出た。山登りをしたくても入山拒否である。東京都八王子市の高尾山も4月25日から5月6日までケーブルカーの運休を決めた。混雑による新型コロナ感染リスクを回避するのが狙いだ。
今は散歩しか許されない。そのうち散歩も出来なくなるのではないか。当局の自粛要請をも受け入れないパチンコ店もある。大阪府が24日特措法に基づき利用を控えるよう求め、店名を公開したが、堺市内のパチンコ店には25日の開店前から約300人がずらりと並んだ。
子どもが外でうるさいと電話で学校や警察に苦情が寄せられる。みんなが我慢ができなくなってきている。息が詰まりそうだ。
許されているのは散歩くらいか。23日午後零時半ごろ、妻と2人で散歩に出た。自宅から目白通りをとぼとぼ歩き、西武線中村橋駅まで行く。駅近くの練馬風月堂(練馬区貫井2)で好きな和菓子を求めるのが目的だった。
当初、カレー料理の持ち帰り弁当を買って帰るつもりだったが、店内に入るとかなり広く、空いてもいた。「どこでもどうぞ」と店主から言われ、結局テーブルで食べることにした。
連れて行かれたのはヒマラヤン・カレー&バー「サグーン中村橋本店」(練馬区貫井1)。アジア・エスニックの店で、大きく分けるとヒマラヤ山脈周辺国(ブータン、中国、ネパール、インド、パキスタン)の料理。
どうも店主は日本語の上手なネパール人で、ネパール風カレーを日本人の口に合うようにアレンジしたものだ。ネパール人の主食は米らしいが、米以外に店ではナンも提供している。これが実に柔らかくおいしかった。ダル(豆)カレーをナンの上に乗せて食べた。
実は私は食べるものに対して極めて保守的だ。チキンが子どもの頃からダメで、今も克服できていない。鶏肉が好きな家内は私に言わせれば”革命的”とも言える存在で、ウサギやカエルなど食用になるものは何でも食べる。食べることに抵抗があまりないのだ。不思議でならない。チキンなど朝飯前で、前向きだ。
その私もナンを食べてみて、とてもおいしかった。ラッシーというのはインド料理定番の飲み物らしいが、これがシンプルでおいしい。