首都圏・北海道含め「緊急事態宣言」を全面解除=第2波の流行を抑えるのがさらなる任務
■第2波に対応しつつ、経済再開に軸足
政府は25日、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言について、東京など5都道県を解除した。4月7日に発令した宣言はこれで全都道府県で解除となった。全国の移動解禁は6月19日から認める。
西村康稔経済財政・再生相は解除の理由について、「当然第2波はある。しかし大きな波にすることなく、小さな流行が出た時に、PCRの体制などで抗原(検査)キットもできたので抑えていく。抑えられる範囲に東京も含めて至ったと考えており、適切な判断だと理解している」と語った。
また経団連の中西会長も「経済に対するインパクトが非常に大きくなっていることから感染予防と経済を再びしっかりさせる難しい運営を一緒にやっていく宣言ではないか」との認識を示した。
政府が解除の目安の1つに挙げたのは「直近1週間の10万人当たりの感染者数が0.5人程度以下」。25日午後8時時点で東京都は0.34人と下回った。神奈川県と北海道はそれぞれ0.62人、0.74人と目安を上回ったが、感染経路が分かっており医療提供体制も十分なので解除できると判断したとしている。
■7月末まで「新しい生活様式」が必要
安倍晋三首相は記者会見で、感染状況に目をこらしながら7月末までを移行期間とし、それまでは日常を段階的に取り戻していく「新しい生活様式が重要である」と述べた。
厚労省が5月4日、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を示している。基本的感染対策としては①身体的距離の確保②マスクの着用③手洗いーの3点だ。
人との間隔はできるだけ2m(最低1m)空け、遊びに行くなら屋内より屋外を選び、会話をする際には可能な限り真正面を避ける。外出時、屋内にいるときや会話をするときは症状がなくてもマスクを着用。家に帰ってらまず手や顔を洗う。できるだけ着替える、シャワーを浴びる。手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う。高齢者や持病のあるような重症化リスクの高い人と会う際には、体調管理をより厳重にする。
また日常生活を営む上での基本的生活様式としては①まめに手洗い・手指消毒②「3密」(密集、密接、密閉)の回避③咳エチケットの徹底④こまめに喚起ーなどが挙げられている。
日常生活の各場面別の生活様式として買い物の場合、通販も利用、1人または少人数で空いた時間に、電子決済の利用を図るほか、公共交通機関の利用でも会話は控えめに、混んでいる時間帯は避けてなどを挙げている。食事も持ち帰りや出前、デリバリーも推奨している。屋外空間で気持ちよく、大皿は避けて料理は個別にし、対面ではなく横並びで座ることを推奨している。
冠婚葬祭などの親族行事は多人数での会食は避け、発熱や風邪の症状がある場合は参加しないことを勧めている。
また働き方の新しいスタイルとしてテレワークなどを推奨している。
■6月中旬にも接触確認アプリの導入を
社会・経済活動を制限するようなやり方はできる限り避けたいが、最悪の場合には2度目の緊急事態宣言発出の可能性もある。感染者をできるだけ早期に発見する。
安心して使える接触隔離アプリを6月中旬をめどに導入する予定だ。